心臓は「自家発電」と「超高速の電気回路」で動く自動ポンプにゃん!
洞房結節が自分でリズムを作り、房室結節があえて一拍タメを作り、プルキンエ線維が心室全体へ一気に信号を配るにゃ。このルートが分かれば、心電図も不整脈も同じマップの上で読めるようになるにゃん!
自分でリズムを作る
電気の記録
イオンの出入り
1電気の通り道6ステップで一周
電気は「特殊心筋(電気の専門職)」で作られて運ばれ、最後に「固有心筋(実際に縮む作業員)」へバトンタッチされるにゃん!
刺激伝導系のルート
①から⑥へ、電気は必ずこの順に流れます
図は横スクロールできます →
- 洞房結節SA結節右心房にある一次ペースメーカー。自発的に膜電位が変化してリズムを作る(自動能)にゃん。
- 結節間伝導路電気刺激が左右の心房へ広がり、心房がキュッと収縮するにゃん。
- 房室結節AV結節心房と心室の境界にある中継所。伝達スピードをあえて約0.1秒遅らせるにゃん。
- ヒス束Bundle of His心房から心室へ電気を届ける唯一の高速道路にゃん。
- 右脚・左脚Bundle branches心室中隔で左右に分かれ、心尖部(心臓の底)へ向けて一気に信号を落とすにゃん。
- プルキンエ線維Purkinje fibers心室の内膜下に張り巡らされた超高速回路!ここで固有心筋へバトンが渡るにゃん。
特殊心筋=電気を作って運ぶ専門職、固有心筋=実際に縮んで血を送る作業員にゃん。①〜⑥はぜんぶ特殊心筋の話で、最後の⑥でようやくバトンが固有心筋に渡るにゃん。
刺激伝導系の覚え方(ゴロ合わせ)
覚えられないよ〜というあなたへ!
にゃんこスペシャル🌟心臓の刺激伝導系語呂合わせ小話!
「お酒(SA結節)を洞窟(洞房結節)で自動(自動能)で作ったら
袋を絞って(心房収縮)缶(結節間伝導路)に詰めるにゃん!
アブ(AV結節)防止(房室結節)にチェーン(伝導遅延)をつけて
必須(ヒス束)の武器(分岐)は左右(右脚・左脚)に分かれて尖ってた(心尖部)ので
ぷるぷる(プルキンエ線維)震えて金(心筋)に変えたにゃん!」
答え合わせ:洞房結節(SA結節)→ 結節間伝導路 → 房室結節(AV結節)→ ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維 → 固有心筋
2なぜその順番?2つの生理学ポイント
あえて遅らせる&底から絞り出す。設計の理由が分かれば丸暗記不要だにゃん!
あえて遅らせる
同時に縮むと、心房から心室へ血液を押し込めない
下から上へ絞り出す
歯磨き粉のチューブを底から絞るのと同じ
1房室結節の伝導遅延約0.1秒のタメ
心房と心室が同時に縮むと血が送り出せないにゃ!AV結節で一瞬電気をストップさせることで、「心房が縮みきって心室に血液をしっかりためる時間」を作っているにゃん。
2下から上へ絞り出す心尖部から出口へ
電気は心臓の底(心尖部)から先に入り、上にある出口(大動脈・肺動脈)へ向かって伝わるにゃん。歯磨き粉のチューブを底からギューッと絞り出すのと同じイメージだにゃ!
3心電図(ECG)との対応
電気の流れを体表から記録したのが心電図だにゃん!
心電図の1周期
P波・PQ間隔・QRS波・T波が、伝導系のどこに対応するか
図は横スクロールできます →
- P波心房の脱分極SA結節からの電気が心房全体に広がった瞬間の波にゃん。
- PQ間隔房室伝導時間AV結節で電気が遅延している「タメ」の時間にゃん。ここが長くなると「房室ブロック」を疑うにゃ。
- QRS波心室の脱分極ヒス束〜プルキンエ線維を経て、心室がドカンと一気に興奮した波形にゃん!幅が広ければ伝導が遅いサイン(脚ブロックなど)にゃ。
- T波心室の再分極興奮した心室が元の充電状態に戻る過程にゃん。
豆知識だにゃん!
「心房の再分極(充電)」の波は、QRS波の大きさに隠れて見えなくなるにゃん。だから見えるのはP(心房発火)→ QRS(心室発火)→ T(心室充電)の3つだにゃ!
4活動電位(相0〜相4)とイオンの動き
イオンチャネルが順番に開閉して、膜電位をコントロールするにゃん!
固有心筋の活動電位
相4は約-90mVでピタッと固定される
ペースメーカー細胞
相4でじわじわ上がり、勝手に閾値へ届く=自動能
- 相0:急速脱分極相Na⁺が急激に流入電位依存性Na⁺チャネル(Nav1.5)が開き、約-90mVから一気に+20mVへドカンと跳ね上がるにゃん!
- 相1:初期一過性再分極相Na⁺停止 + K⁺が流出Na⁺チャネルが閉じ、一過性外向きK⁺電流(Ito)で電位がわずかに下がるにゃん。
- 相2:プラトー相Ca²⁺流入 ≒ K⁺流出L型Ca²⁺チャネルからの流入とK⁺流出が釣り合うにゃ。流入したCa²⁺が筋小胞体からのCa²⁺放出を誘導(CICR)し、心筋収縮の引き金になるにゃん!
- 相3:急速再分極相Ca²⁺停止 + K⁺が大量に流出遅延整流K⁺電流(IKr・IKs)で正電荷を逃がし、静止電位へ戻す(充電)にゃん。
- 相4:静止電位期イオンポンプ等で維持固有心筋はIK1等で約-90mVにピタッと固定。ペースメーカー細胞はIK1が乏しく、If(funny電流)の流入などでじわじわ電位が勝手に上がるにゃん(緩徐脱分極=自動能)!
イオンの主役の順番だにゃん!
Na⁺(相0)→ K⁺(相1)→ Ca²⁺(相2)→ K⁺(相3)
相4が平らなら「働く心筋」、右肩上がりの坂道なら「ペースメーカー細胞」にゃん!
5不整脈のメカニズム異常発火か、回りすぎか、ストップか
不整脈は「刺激生成の異常」と「刺激伝導の異常」の2大原因に分かれるにゃん!
EAD:Long QT・低K血症で起き、TdPに移行しやすい
DAD:ジギタリス中毒などの細胞内Ca²⁺過負荷で起きる
リエントリー:頻脈性不整脈の最大の原因
① 刺激生成の異常勝手に電気が生まれる
- 異常自動能本来ないはずの自発脱分極普段は発火しない固有心筋やプルキンエ線維が、虚血や低K血症などのストレスで静止電位が浅くなり、相4で勝手に脱分極しちゃう現象にゃん。
- トリガードアクティビティ誘発活性先行する活動電位の途中で異常な後脱分極が起き、連鎖発火する現象にゃん。
- 早期後脱分極(EAD)
- まだ再分極の途中(相2〜相3)で発生!薬剤性Long QT症候群や低K血症が原因で、致死的なTorsades de Pointes(TdP)になりやすいにゃ。
- 遅延後脱分極(DAD)
- 再分極が終わった直後(相4)で発生!ジギタリス中毒や交感神経過緊張による細胞内Ca²⁺過負荷が原因だにゃ。
② 刺激伝導の異常回路のグルグルか遮断
- リエントリーReentry電気が抜け切れずグルグル周回し続ける現象にゃ。「二重伝導路・一方向性ブロック・遅延伝導」の3条件がそろうと発生し、心房細動(AF)、心房粗動(AFL)、心室頻拍(VT)などの最大の原因になるにゃん!
- 伝導ブロック遅延または遮断電気回路のどこかがストップ・遅延する現象にゃ。洞不全症候群(SSS)SA結節の機能低下房室ブロックAV結節〜ヒス束の伝導不全(1度〜3度)脚ブロック右脚・左脚の伝導途絶(ワイドQRSになるにゃん)
EADとDADの見分け方だにゃん!
EAD=充電の途中(相2〜3)に発生! ➔ Long QT・低K血症
DAD=充電が終わった直後(相4)に発生! ➔ ジギタリス中毒・Ca²⁺過負荷
刺激伝導系のミニテスト(10問)
0 / 10 問正解選ぶとすぐに正解と解説が出ます。まちがえた項目だけ、上の図や表に戻って確認してください。
Q1.心臓の一次ペースメーカーとして働くのはどれ?
正解:洞房結節 右心房にあり、自発的に脱分極を起こしてリズムを作ります(自動能)。AV結節やヒス束以下も自動能をもちますが、固有の頻度が低いため通常はSA結節に従います。
Q2.房室結節が伝導を約0.1秒遅らせる目的はどれ?
正解:心室に血液をためる時間をつくるため 同時に縮むと心房から心室へ血液を押し込めません。この「タメ」が心電図のPQ間隔にあたります。
Q3.心房から心室へ電気を届ける唯一の経路はどれ?
正解:ヒス束 房室弁の輪(線維輪)を貫いて心室へ電気を届ける、唯一の「高速道路」です。
Q4.心室の収縮が始まる順序として正しいのはどれ?
正解:心尖部から出口へ 歯磨き粉のチューブを底から絞るように、効率よく血液を押し出せます。
Q5.心電図のP波が表しているのはどれ?
正解:心房の脱分極 心房の再分極はQRS波に隠れて心電図には現れません。
Q6.心電図のT波が表しているのはどれ?
正解:心室の再分極 興奮した心室が元の電気状態(充電状態)に戻る過程です。心室の脱分極はQRS波、房室伝導の遅延はPQ間隔です。
Q7.固有心筋の活動電位で、相0(急速脱分極相)の主役となるイオンはどれ?
正解:Na⁺の急激な流入 電位依存性Na⁺チャネル(Nav1.5)が開き、約-90mVから+20mV付近まで一気に跳ね上がります。
Q8.相2(プラトー相)で心筋収縮の引き金になるのはどれ?
正解:CICR L型Ca²⁺チャネルから入ったCa²⁺が、筋小胞体からのCa²⁺放出を誘導します(カルシウム誘発性カルシウム放出)。
Q9.ジギタリス中毒や細胞内Ca²⁺過負荷で起こりやすい後脱分極はどれ?
正解:DAD NCX(Na⁺/Ca²⁺交換体)を介した一過性の内向き電流で起こります。EADはLong QT症候群や低カリウム血症で相2〜3に生じ、TdPに移行しやすいのが特徴です。
Q10.リエントリーが成立するための3条件の組み合わせはどれ?
正解:二重伝導路・一方向性ブロック・遅延伝導 この3つがそろうと電気が輪を描いて回り続け、心房細動・心房粗動・心室頻拍などの頻脈性不整脈の原因になります。
+理解度チェックかんたんから順に
読んだ内容を、手を動かして確かめるにゃん。上から順に進むとムリなく力がつくにゃ。
+詳細な解説もっと深く読む
さらに踏み込んだ内容は、解説ブックで読めるにゃん。
しくみの流れは「流れでたどる」で、図を1段ずつたどって確かめられるにゃん。
心刺激伝導系のきほん|掲載の図はすべてしくみを示す模式図です。心電図波形や活動電位の形は、誘導・種・条件によって異なります。
ミニテストの結果はこのページ内だけで保持され、保存されません。