吸虫は「何を生で食べたか」を聞けば、だいたい絞れるにゃん
吸虫の生活環は例外なく巻貝から始まるにゃん。そこから泳ぎ出したセルカリアが次にどこへ入るか、つまり第2中間宿主が何かで、種はきれいに分かれるにゃん。カニならウェステルマン肺吸虫、アユなら横川吸虫、コイ科の魚なら肝吸虫。食歴の聴取がそのまま鑑別になるのが、吸虫のおもしろいところにゃん。
例外なし
ここで種が決まる
雌雄異体・経皮感染
1吸虫の共通ルールまず5つ押さえる
吸虫(二生吸虫類)には、ほぼ全種に当てはまるルールがあるにゃん。先に共通項を固めてから、例外を1つだけ覚えるのが最短ルートにゃん。
- 第1中間宿主は必ず巻貝吸虫を吸虫たらしめるルール吸虫類はほぼ例外なく第1中間宿主に巻貝を用いるにゃん。条虫や線虫とはっきり違う、いちばん大きな特徴にゃん。貝の体内でスポロシスト・レジアを経てセルカリアが多数に増殖するので、1個の虫卵から大量のセルカリアが生まれるにゃん。
- 雌雄同体ただし1種だけ例外吸虫の大半は1匹の体に雌雄の生殖器を持つ雌雄同体にゃん。例外は日本住血吸虫で、こちらは雌雄異体にゃん。この1点だけ覚えておけば混乱しないにゃん。
- 感染は経口ただし1種だけ例外終宿主はメタセルカリアを含む第2中間宿主を食べて感染するにゃん。だから十分な加熱で確実に予防できるにゃん。ここでも例外は日本住血吸虫だけで、セルカリアが皮膚を穿孔する経皮感染にゃん。
- 虫卵は重いだから沈殿法吸虫の虫卵は比重が大きく、飽和食塩水などの浮遊法では浮きにくいにゃん。ホルマリン・エーテル法などの沈殿法や集卵法が適するにゃん。糞便検査の手技を間違えると、いるのに出ないことになるにゃん。
- 治療はプラジクアンテル全種に有効このページの6種すべてにプラジクアンテルが有効にゃん。条虫のマンソン裂頭条虫のような「高用量が必要」という例外はないにゃん。むしろ大事なのは再感染を防ぐことで、生食をやめる・捕食させないという食生活の管理が本体にゃん。
例外がぜんぶ日本住血吸虫に集まっているのがありがたいところにゃん。雌雄異体・経皮感染・第2中間宿主なし・血管内寄生。この4つを「住血吸虫だけの特別ルール」としてまとめて覚えてしまえば、残り5種は共通ルールどおりに処理できるにゃん!
2幼虫形のリレー虫卵から成虫まで
吸虫の幼虫名も条虫に負けず多いけれど、どの宿主のなかで起きる変化かで並べれば一本の線になるにゃん。
吸虫の幼虫形リレー
巻貝のなかで数が増え、第2中間宿主で待ち、食べられて成虫になる
- ミラシジウム水中を泳ぐ第一段階虫卵から孵化した繊毛をまとう幼虫にゃん。泳いで巻貝を探して侵入するにゃん。ただし肝吸虫だけは違うにゃん。水中で孵化せず、虫卵のままマメタニシに摂食されてから貝の消化管内で孵化するにゃん。この様式の違いは覚えておくと得にゃん。
- スポロシスト → レジア → セルカリア巻貝のなかで一気に増える貝の体内で無性的に世代を重ね、1個の虫卵から大量のセルカリアが生まれるにゃん。この無性増殖が、吸虫が少ない虫卵でも流行を維持できる理由にゃん。
- メタセルカリア第2中間宿主で被嚢して待つセルカリアが第2中間宿主に侵入し、被嚢して感染を待つ段階にゃん。終宿主が食べたときに感染が成立するので、ここが予防のポイントにゃん。加熱により死滅するから、十分に火を通せば確実に防げるにゃん。
- 待機宿主食物連鎖を1段のばす第2中間宿主を食べた動物のなかで発育せずに留まる場合、その動物は待機宿主になるにゃん。壺形吸虫ではカエルを食べたヘビ、ウェステルマン肺吸虫ではカニを食べたイノシシにゃん。感染の機会を広げる、見落としてはいけない存在にゃん。
3中間宿主で見分けるこれが最強の鑑別軸
第1中間宿主はどれも巻貝だけど、貝の種類と第2中間宿主で6種はきれいに分かれるにゃん。食歴を聞くだけで診断に近づけるにゃん。
吸虫6種の中間宿主
カワニナは肺吸虫と横川吸虫で共有。その先の第2中間宿主で運命が分かれる
- 貝の種類で分かれる第1中間宿主ミヤイリガイ(カタヤマガイ)=日本住血吸虫、マメタニシ=肝吸虫、カワニナ=ウェステルマン肺吸虫と横川吸虫、モノアラガイ=浅田棘口吸虫にゃん。日本住血吸虫がミヤイリガイ1種に厳密に依存していたことが、日本での撲滅を可能にしたにゃん。用水路のコンクリート化などで貝の生息地を断つことで達成され、1996年に流行の終息が宣言されたにゃん。一方、浅田棘口吸虫のように複数の貝種を使える種は、宿主特異性がそこまで厳密ではないにゃん。
- カワニナは2種で共有そこから先が分かれるウェステルマン肺吸虫と横川吸虫は第1中間宿主がカワニナで共通にゃん。つまり同じ渓流に両方の吸虫が分布しうるにゃん。でも第2中間宿主は肺吸虫がカニ、横川吸虫がアユと分かれるので、そこから先の運命は大きく違うにゃん。
- 第2中間宿主で種が決まる食歴の聴取=鑑別サワガニ・モクズガニ=ウェステルマン肺吸虫、アユ(背ごし・せごし)=横川吸虫、コイ・フナ・モツゴなどコイ科=肝吸虫、ドジョウ(踊り食い)=浅田棘口吸虫、オタマジャクシ・カエル=壺形吸虫にゃん。「何を生で食べましたか」が、そのまま鑑別の質問になるにゃん。
- 待機宿主も感染源ヘビとイノシシ壺形吸虫ではカエルを食べたヘビが待機宿主になるにゃん。猫がカエルよりヘビを捕食する機会が多い地域もあるにゃん。ウェステルマン肺吸虫ではカニを食べたイノシシが待機宿主で、日本ではイノシシ肉の生食による感染が近年の主流になっていて、カニ由来を上回っているにゃん。ジビエの流通拡大で注意が高まっている経路にゃん。
4寄生部位と体内移行症状は場所が決める
吸虫はどこに住みつくかで症状がほぼ決まるにゃん。そしてそこへどうやって行くかにも2つのパターンがあるにゃん。
2つの体内移行パターン
管をたどるだけの肝吸虫と、組織を突き破って進む肺吸虫
- 血管内日本住血吸虫門脈系、とくに腸間膜静脈の血管内に寄生して血液中で栄養を得るにゃん。「血管内に住む」というのが名前の由来にゃん。血管内寄生は虫卵の運命にも影響するにゃん。
- 胆管肝吸虫十二指腸で脱嚢した幼虫が胆汁の流れに逆らって総胆管を遡り、肝内胆管に達して約1か月で成虫になるにゃん。体腔や肺を経由する移行は行わない、管腔をたどるだけの単純な経路にゃん。
- 肺ウェステルマン肺吸虫幼虫は腸壁を穿孔して腹腔に出て、横隔膜を貫いて胸腔に入り、肺実質へ侵入するにゃん。管腔をたどる肝吸虫と違って体腔を突き進むのが特徴にゃん。この移行の途中で経路を誤ると、脳や皮下に迷入して異所寄生を起こすにゃん。
- 小腸浅田棘口吸虫・横川吸虫・壺形吸虫脱嚢したらそのまま小腸粘膜に住みつくにゃん。移行がないぶんシンプルで、症状も下痢・腹痛・嘔吐といった消化器症状にとどまるにゃん。胆管に入らないので黄疸は起こさないにゃん。
寄生部位が分かれば症状が読めるにゃん。咳と血痰なら肺、黄疸と肝腫大なら胆管、下痢と腹痛なら小腸、腹水と脾腫なら血管(門脈圧亢進)にゃん。逆に症状から部位を絞って、そこから食歴を聞けば種にたどりつくにゃん。この往復ができるようになると強いにゃん!
5日本住血吸虫例外だらけの1種
共通ルールの例外がすべてここに集まっているにゃん。雌雄異体・第2中間宿主なし・経皮感染・血管内寄生の4点セットにゃん。
日本住血吸虫の2大特徴
雌雄異体で対をなし、セルカリアが皮膚から直接入る
- 日本住血吸虫Schistosoma japonicum吸虫類の大半は雌雄同体だけど、住血吸虫は雌雄異体という例外にゃん。太い雄の腹面にある抱雌管という溝に細い雌が抱えられ、常に対になって血管内で生活するにゃん。この形態が住血吸虫を他の吸虫から見分ける決定的な特徴にゃん。虫卵の行方が病害の主役:雌は腸間膜静脈の細い枝で産卵し、虫卵は自ら分泌する酵素と炎症の力で血管壁と腸壁を破って腸管腔に入り、糞便とともに出るにゃん。この移動の過程で組織に強い炎症を起こすことが病害の主な原因にゃん。虫卵には側棘という小さな突起があるにゃん。慢性期の病態:腸管へ出られなかった虫卵は門脈を通って肝臓に流れ着き、そこで肉芽腫を形成するにゃん。慢性化すると肝の線維化が進み、門脈圧亢進・脾腫・腹水・食道静脈瘤へ至るにゃん。病害の主役は成虫ではなく虫卵という点が要点にゃん。急性期には発熱と下痢を示すにゃん。感染経路と撲滅の歴史:貝から出たセルカリアが水中を泳いで終宿主の皮膚を直接穿孔するにゃん。第2中間宿主を持たないので、水田や用水路に入る作業がそのまま感染機会になったにゃん。日本での撲滅はミヤイリガイの生息地を断つことで達成され、1996年に流行の終息が宣言されたにゃん。ただし中国やフィリピンでは流行が続いていて、輸入感染症として重要にゃん。診断・治療:糞便からの虫卵検出、直腸粘膜生検、血清抗体検査にゃん。治療はプラジクアンテルが有効にゃん。
6残りの5種寄生部位でまとめる
共通ルールどおりに動く5種にゃん。胆管・肺・小腸の3グループに分けて見ていくにゃん。
胆管に寄生する黄疸と胆管癌
- 肝吸虫Clonorchis sinensis虫卵は約30×17µmと、蠕虫の虫卵としては最小級にゃん。電球のような形で、卵蓋の周囲に肩状の隆起があり、反対端に小さな突起を持つにゃん。小ささゆえに見落としやすく、高倍率での観察が必要にゃん。虫卵が孵化しない:肝吸虫では虫卵が水中で孵化せず、マメタニシに摂食されてから貝の消化管内で孵化するにゃん。多くの吸虫がミラシジウムを泳がせるのとは違う様式にゃん。第2中間宿主と移行:セルカリアはコイ・フナ・モツゴ・タナゴなどコイ科の淡水魚に侵入し、鱗の下や筋肉内でメタセルカリアとして被嚢するにゃん。十二指腸で脱嚢した幼虫は総胆管を遡って肝内胆管に達し、約1か月で成虫になるにゃん。慢性感染の怖さ:虫体の機械的刺激と代謝産物により胆管上皮が増生し、胆管壁の肥厚と周囲の線維化が進むにゃん。慢性の重度感染は胆管癌の危険因子とされ、国際がん研究機関はヒトに対する発がん性を認めているにゃん。多数寄生では胆管の閉塞や黄疸、肝腫大を示すにゃん。診断:虫卵が小さく比重も大きいので浮遊法では検出しにくく、沈殿法や集卵法を使うにゃん。イヌやネコに川魚を生で与えることも感染の契機になるにゃん。
肺に寄生する結核と紛らわしい
- ウェステルマン肺吸虫Paragonimus westermani第1中間宿主は渓流に生息するカワニナ、第2中間宿主はサワガニやモクズガニにゃん。カニの生食、酔っ払いガニ、不十分な加熱調理が感染源にゃん。調理中にまな板や手を介して他の食材が汚染されることもあるので注意にゃん。イノシシが主要な感染源:カニを摂取したイノシシの筋肉内に幼虫が留まって待機宿主になるにゃん。日本ではイノシシ肉の生食や加熱不十分な摂取による感染例が近年の主流で、カニ由来を上回っているにゃん。ジビエの流通拡大とともに注意が高まっている経路にゃん。虫嚢をつくる:肺実質で通常2個体が寄り添って線維性の虫嚢を形成し、そのなかで交尾して産卵するにゃん。雌雄同体だけど交叉受精を行うため、2虫体が揃うことに意味があるにゃん。産まれた虫卵は虫嚢が気管支と交通することで喀痰に出るか、嚥下されて糞便に混じるにゃん。症状と診断:慢性の咳、鉄さび色の血痰、胸痛、胸水貯留を示し、胸部X線で結核と紛らわしい陰影を呈するにゃん。好酸球増多を伴う点が鑑別の手がかりにゃん。幼虫が脳へ迷入するとけいれんや麻痺といった重篤な神経症状を起こすにゃん。診断は喀痰と糞便の両方を調べて虫卵を探すにゃん。虫卵は黄褐色で卵蓋を持つにゃん。血清抗体検査や画像検査も有用にゃん。
小腸に寄生する消化器症状にとどまる
- 浅田棘口吸虫Echinostoma hortense棘口吸虫科は口吸盤の周囲を取り囲む襟状の頭冠に棘が環状に並ぶのが特徴にゃん。棘の数と配列が種の同定に使われて、浅田棘口吸虫では27〜28本にゃん。第1中間宿主はモノアラガイなど複数の貝種、第2中間宿主はドジョウなどの淡水魚やカエルにゃん。ドジョウの踊り食いが感染源として知られているにゃん。寄生と症状:成虫は小腸、とくに空腸の粘膜に頭冠の棘を食い込ませて固着するにゃん。この機械的刺激で粘膜のびらんや出血を生じ、心窩部痛・下痢・悪心・食欲不振と末梢血の好酸球増多を示すにゃん。虫卵の大きさが鑑別点:虫卵は約120×70µmと大きく、卵蓋を持つにゃん。同じく淡水魚を介する肝吸虫の虫卵が約30µmと極めて小さいのと対照的で、大きさが決め手になるにゃん。内視鏡下で虫体を摘出することもあるにゃん。
- 横川吸虫Metagonimus yokogawai成虫は体長1〜2mm、幅0.5mm程度の洋梨形をした微小な吸虫にゃん。腹吸盤が生殖器と癒合して腹面右側に偏るのが異形吸虫科の特徴にゃん。小さいため腸粘膜に埋もれるように寄生し、剖検でも見落とされやすいにゃん。アユの生食が主な感染源:第1中間宿主はカワニナ(肺吸虫と共通)、第2中間宿主はアユにゃん。鱗の下や鰓、筋肉にメタセルカリアが入るので、背ごし・せごしと呼ばれる生食が代表的な感染源にゃん。シラウオやウグイも第2中間宿主になるにゃん。病原性は低い:成虫は小腸粘膜、とくに絨毛のあいだに潜り込むように寄生し、胆管には入らないにゃん。少数寄生ではほとんど無症状で、数千に及ぶ多数寄生で下痢・腹痛・粘血便を生じるにゃん。日本で最も検出頻度の高い吸虫でありながら、臨床的に問題になる例は限られるにゃん。
- 壺形吸虫Pharyngostomum cordatum成虫は体長5mm前後で、幅広く壺のように膨らんだ前体部と細い後体部からなる二部構成にゃん。この形が名前の由来にゃん。前体部の腹面には粘着器官があり、腸粘膜に付着するにゃん。形態的特徴が明瞭なので、虫体が得られれば同定は容易にゃん。カエルとヘビ:第1中間宿主は淡水産の巻貝、第2中間宿主はオタマジャクシやカエルにゃん。カエルを食べたヘビが待機宿主になるので、猫はカエルかヘビを捕食して感染するにゃん。屋外で狩りをする猫に見られる寄生虫で、完全室内飼育では感染しないにゃん。症状:成虫は小腸に寄生し、少数ならほとんど無症状にゃん。多数寄生で下痢・嘔吐・削痩が見られるにゃん。肝臓や胆管には寄生しないので黄疸は起こさないにゃん。国内では西日本を中心に猫からの検出が報告されているにゃん。
7まぎらわしいペアの整理どこで切るかを決めておく
吸虫で迷うのは、虫卵が似ている組み合わせと中間宿主が紛らわしい組み合わせにゃん。切る基準を1つずつ決めておくにゃん。
- 肝吸虫 vs 横川吸虫切る基準:寄生部位と食歴虫卵が酷似していて形態だけでは確実に区別できないのが最大の落とし穴にゃん(肝吸虫 約30×17µm、横川吸虫 約28×17µm)。分かれるのは寄生部位で、肝吸虫は胆管、横川吸虫は小腸にゃん。だから肝吸虫は黄疸を起こすけれど、横川吸虫は起こさないにゃん。第2中間宿主もコイ科 vs アユと違うので、何を食べたかの聴取が鑑別の助けになるにゃん。駆虫後に排出された成虫の形態確認や遺伝子検査を使うこともあるにゃん。
- 肝吸虫 vs 浅田棘口吸虫切る基準:虫卵の大きさどちらも淡水魚を介するけれど、虫卵の大きさが桁違いにゃん。肝吸虫は約30µmで最小級、浅田棘口吸虫は約120×70µmと大型にゃん。第2中間宿主もコイ科 vs ドジョウにゃん。
- ウェステルマン肺吸虫 vs 横川吸虫切る基準:第2中間宿主第1中間宿主がどちらもカワニナで共通なので、同じ渓流に両方いることがあるにゃん。分かれるのは第2中間宿主で、肺吸虫がカニ、横川吸虫がアユにゃん。寄生部位も肺 vs 小腸と正反対で、症状は咳と血痰 vs 下痢と腹痛にゃん。
- ウェステルマン肺吸虫 vs 結核切る基準:好酸球増多慢性の咳・血痰・胸水・胸部X線の陰影と、臨床像がよく似ているにゃん。末梢血の好酸球増多が鑑別の手がかりで、喀痰と糞便の虫卵検査、血清抗体検査で確定するにゃん。
- 壺形吸虫 vs 浅田棘口吸虫切る基準:第2中間宿主と頭部の形どちらも小腸に寄生するけれど、壺形吸虫の第2中間宿主はカエル、浅田棘口吸虫はドジョウなどの淡水魚にゃん。虫体が得られれば、壺形の前体部か棘の並ぶ頭冠かで一目にゃん。
- 日本住血吸虫 vs その他すべて切る基準:例外4点セット雌雄異体・第2中間宿主なし・経皮感染・血管内寄生にゃん。どれか1つでも当てはまれば住血吸虫にゃん。病害の主役が成虫ではなく虫卵という点も、他の吸虫と決定的に違うにゃん。
- ミヤイリガイ vs ケンミジンコ切る基準:そもそも分類が違う日本住血吸虫の第1中間宿主はミヤイリガイ(巻貝)にゃん。ケンミジンコ(甲殻類)はマンソン裂頭条虫の第1中間宿主で、こちらは条虫にゃん。「吸虫の第1中間宿主は必ず巻貝」というルールを持っていれば、この引っかけには落ちないにゃん。
診断と予防のまとめやることは決まっている
- 糞便沈殿法・集卵法ほぼ全種で基本吸虫の虫卵は比重が大きく浮遊法では浮きにくいので、ホルマリン・エーテル法などの沈殿法を使うにゃん。肝吸虫や横川吸虫は虫卵が小さいので、高倍率での観察も必要にゃん。
- 喀痰も調べるウェステルマン肺吸虫だけ虫卵は虫嚢が気管支と交通することで喀痰に出るほか、嚥下されて糞便にも混じるにゃん。両方を調べるのが原則にゃん。
- 直腸粘膜生検・血清抗体検査日本住血吸虫糞便からの虫卵検出に加えて、直腸粘膜生検や血清抗体検査を使うにゃん。国内感染は終息しているけれど、輸入感染症として押さえておくにゃん。
- プラジクアンテル6種すべてに有効用量の例外はないにゃん。ただし薬で虫体を落としても、同じものを食べればまた感染するにゃん。
- 予防は加熱と捕食防止ここが本体メタセルカリアは加熱により死滅するので、十分に火を通せば確実に予防できるにゃん。動物には生の川魚を与えない、猫は室内飼育に切り替えてカエルやヘビを捕食させないにゃん。日本住血吸虫だけは経皮感染なので、流行地では水に入らないことが予防になるにゃん。
まとめるにゃん。吸虫は①第1中間宿主は必ず巻貝 → ②第2中間宿主で種が決まる → ③寄生部位で症状が決まるの3段階にゃん。診断は沈殿法、治療はプラジクアンテル、予防は加熱と捕食防止。そして例外はぜんぶ日本住血吸虫に集まっているにゃん。この骨組みさえあれば、6種は迷わず整理できるにゃん!
吸虫のミニテスト(10問)
0 / 10 問正解選ぶとすぐに正解と解説が出るにゃん。まちがえた項目だけ、上の図やリストに戻って確認するにゃん。
Q1.吸虫類の第1中間宿主に共通するのはどれ?
正解:巻貝 吸虫類はほぼ例外なく第1中間宿主に巻貝を用いるにゃん。貝の体内でスポロシスト・レジアを経てセルカリアが多数に増殖するにゃん。ケンミジンコはマンソン裂頭条虫、ノミは瓜実条虫の中間宿主にゃん。
Q2.吸虫のなかで雌雄異体という例外にあたるのは?
正解:日本住血吸虫 太い雄の腹面の抱雌管という溝に細い雌が抱えられ、常に対になって血管内で生活するにゃん。ほかの吸虫は雌雄同体にゃん(肺吸虫は雌雄同体だけど交叉受精のため2虫体で虫嚢をつくるにゃん)。
Q3.日本住血吸虫の終宿主への感染経路は?
正解:経皮感染 第2中間宿主を持たず、貝から出たセルカリアが直接皮膚を穿孔するにゃん。水田や用水路に入る作業がそのまま感染機会になったにゃん。ほかの吸虫はすべて経口感染にゃん。
Q4.日本住血吸虫症で肝線維化と門脈圧亢進を起こす主役は?
正解:虫卵の肉芽腫 腸管へ出られなかった虫卵が門脈を通って肝臓に流れ着き、肉芽腫を形成するにゃん。病害の主役は成虫ではなく虫卵という点が要点にゃん。慢性化すると脾腫・腹水・食道静脈瘤へ至るにゃん。
Q5.ウェステルマン肺吸虫の第2中間宿主はどれ?
正解:淡水産カニ類 コイ科は肝吸虫、アユは横川吸虫にゃん。なお日本ではカニを食べたイノシシ(待機宿主)の肉の生食による感染が近年の主流で、カニ由来を上回っているにゃん。
Q6.ウェステルマン肺吸虫の幼虫が肺へ到達する経路は?
正解:腹腔 → 横隔膜 → 胸腔 → 肺 管腔をたどる肝吸虫と違って体腔を突き進むのが特徴にゃん。この移行の途中で経路を誤ると脳や皮下に迷入し、けいれんや麻痺を起こすにゃん。
Q7.肝吸虫の第1中間宿主への侵入様式で正しいのは?
正解:虫卵ごと摂食される 多くの吸虫がミラシジウムを泳がせて貝に侵入させるのとは異なる様式にゃん。カワニナはウェステルマン肺吸虫と横川吸虫の第1中間宿主にゃん。
Q8.肝吸虫の慢性重度感染で問題となるのは?
正解:胆管癌のリスク上昇 虫体の機械的刺激と代謝産物により胆管上皮が増生し、国際がん研究機関はヒトに対する発がん性を認めているにゃん。多数寄生では胆管閉塞・黄疸・肝腫大も示すにゃん。
Q9.糞便検査で肝吸虫と横川吸虫を鑑別するうえで正しいのは?
正解:形態では確実に区別できない 肝吸虫 約30×17µm、横川吸虫 約28×17µm と酷似しているにゃん。分かれるのは寄生部位(胆管 vs 小腸)と第2中間宿主(コイ科 vs アユ)にゃん。駆虫後の成虫の形態確認や遺伝子検査も使うにゃん。
Q10.吸虫卵の検出に適した糞便検査法はどれ?
正解:沈殿法 吸虫の虫卵は比重が大きく浮遊法では浮きにくいにゃん。硫酸亜鉛遠心浮遊法はジアルジアのシストに適した方法にゃん。治療はどの吸虫もプラジクアンテルで、予防は十分な加熱と捕食防止にゃん。
+理解度チェックふつう:生活環フローチャート2択クイズ
生活環を時系列にたどる各7問の2択クイズにゃん。この記事で読んだ順番が、そのまま出題順になっているにゃん。誤答の選択肢には別の寄生虫の正解が置いてあるので、解くだけで鑑別の練習にもなるにゃん。
かんたん寄生虫学 吸虫|掲載の図はすべてしくみを示す模式図です。虫体や構造の大きさ・形・比率は実際とは異なります。
ミニテストの結果はこのページ内だけで保持され、保存されません。