まずは、振り分けにゃん

体のどんな臓器も、たった4つの基本組織の組み合わせでできているにゃん。上皮・結合・筋・神経。まずこの4つに振り分けて、それから各組織の中を細かく分けていくにゃん。

上皮組織 すきまなく並ぶ
基底膜の上・血管なし
結合組織 すきまが主役
線維と基質と血管
筋組織 細長い細胞
横紋があれば骨格筋か心筋
神経組織 大きな細胞体+突起
ニッスル小体が目印

1まず4つに振り分ける一次鑑別

細胞密度・細胞外基質・横紋・核の数と位置、この4点を順に見るだけで、基本組織はほぼ振り分けられるにゃん。

上皮組織 細胞が密・基底膜の上・血管なし 基底膜 結合組織 細胞はまばら・線維と基質が主役 血管が走る(○) 筋組織 細長い細胞・長軸に直交する横紋 横紋=アクチンとミオシンの規則配列 神経組織 大きな細胞体から突起が伸びる 細胞質の好塩基性顆粒=ニッスル小体

4つの基本組織
まずこの4つのどれかに振り分けてから、細かい分類に進む

  1. 上皮組織Epithelial tissue細胞が密に接して並び、細胞と細胞のあいだを埋めるものがほとんど見えないにゃん。高い細胞密度・基底膜への接着・無血管性の3つが定義的な特徴で、栄養は直下の結合組織から拡散でもらっているにゃん。細胞がぎっしり基底膜の上血管がない
  2. 結合組織Connective tissue細胞はまばらで、視野の大部分を線維と基質が占めるにゃん。主役が細胞ではなく細胞外基質、というのが上皮との一次鑑別点にゃん。血管が走っているのもポイントにゃん。細胞がまばら線維と基質が主役血管あり
  3. 筋組織Muscle tissue細長い細胞が束をなすにゃん。長軸に直交する明暗の縞=横紋が見えたら、その時点で骨格筋か心筋のどちらかに絞られるにゃん。細長い横紋の有無核の数と位置
  4. 神経組織Nervous tissue大型で核小体が明瞭な細胞体から、複数の突起が伸びるにゃん。細胞質に散る好塩基性の粗大顆粒がニッスル小体(粗面小胞体とリボソームの集塊)にゃん。大きな細胞体突起が複数ニッスル小体

まちがえやすい組み合わせここだけ先に潰しておく

  1. 平滑筋 vs 線維芽細胞いちばん間違えやすい組み合わせにゃん。平滑筋の核は両端の鈍い葉巻型で、収縮するとらせん状にねじれるにゃん。線維芽細胞の核は扁平で濃染し、周囲に膠原線維が広がっているにゃん。
  2. 神経細胞 vs グリア細胞ニッスル小体があれば神経細胞にゃん。グリア細胞はこれをもたず、ふつうの標本では核しか見えないにゃん。
  3. 血液はどの組織?答えは結合組織にゃん。血液とリンパは細胞外基質が液体の液状結合組織で、中胚葉由来・細胞が基質に散在という結合組織の定義をちゃんと満たしているにゃん。

順番が大事にゃん。①細胞と基質のどっちが多い? → ②横紋はある? → ③核は何個でどこにある?

2上皮組織のみわけかた層数 → 形 → 遊離面

上皮の分類は、層の数 → 表層細胞の形 → 遊離面の特殊化の順に見れば迷わないにゃん。いきなり名前を思い出そうとすると必ず混ざるにゃん。

単層扁平 内皮・中皮・肺胞 単層立方 腺の導管・尿細管 単層円柱 腸(刷子縁=微絨毛) 多列線毛 気道(全細胞が基底膜に接する) 重層扁平 食道・皮膚(角化するかで2型) 移行上皮 尿路(表層は傘細胞)

上皮の基本6パターン
層の数と、表層にある細胞の形で名前が決まる

  1. 単層扁平上皮内皮・中皮基底膜の上に細胞が1層だけ並び、すべての核が同じ高さに揃うのが単層の目印にゃん。同じ単層扁平でも、体腔側を裏打ちするものは中皮、血管とリンパ管の内腔側は内皮と呼び分けるにゃん(どちらも中胚葉由来)。
  2. 単層立方上皮高さと幅がだいたい同じ、サイコロのような細胞にゃん。腺の導管や尿細管で見かけるにゃん。
  3. 単層円柱上皮刷子縁をもつ高さが幅を上回れば円柱にゃん。遊離面が毛羽立って見えるのは微絨毛が密生してつくる刷子縁で、そこが吸収面であることを示しているにゃん。
  4. 多列線毛上皮見かけは多層、中身は単層核の高さが不揃いで一見多層に見えるけれど、すべての細胞が基底膜に接しているので単層にゃん。気道の代表的な上皮で、線毛細胞と杯細胞が混ざっているにゃん。
  5. 重層扁平上皮角化・非角化の2型表層の細胞が核を失って好酸性の無構造な板になって積み重なれば角化型にゃん。反芻獣の食道や第一胃、皮膚、肉球で見られるにゃん。核が残っていれば非角化型にゃん。
  6. 移行上皮尿路上皮同じ標本でも伸展の状態で像が変わるのが最大の特徴にゃん。弛緩時は表層に大型で丸い細胞(傘細胞)が突出し、伸展時は全層が扁平化して層数が減って見えるにゃん。傘細胞は頂部膜のプラークと密着結合で、尿が染み込むのを防いでいるにゃん。

細胞どうしをつなぐ装置も位置で役割が違うにゃん。いちばん遊離面寄りにあるのが密着結合(閉鎖帯)で、細胞間隙を封鎖して物質の素通り(傍細胞経路)を防ぐバリアにゃん。もっと基底側にあるデスモソーム(接着斑)は、機械的にがっちり接着する役にゃん。

3腺の分類と分泌様式導管 → 形 → 出しかた

腺は上皮が落ち込んでできたものにゃん。導管の有無 → 分泌部の形 → 放出様式 → 分泌物の性状の順に整理すると混乱しないにゃん。

導管があるかないかいちばん大きな分かれ道

  1. 外分泌腺Exocrine gland上皮が陥入したあとも表面との連絡(導管)を保ったもので、分泌物を体表や管腔へ放出するにゃん。汗腺・脂腺・唾液腺・膵外分泌部が代表にゃん。分泌部の形でも分けるにゃん。球形や洋梨形にふくらんで内腔が狭いものが腺房(胞状)、内腔が細長く一定の太さのものが管状(胃腺・腸腺・汗腺)。両方混ざれば管状胞状腺にゃん。
  2. 内分泌腺Endocrine gland発生の途中で表面との連絡を失った腺にゃん。導管をもたず、分泌物を周囲の毛細血管へ直接放出するにゃん。分泌物が血流に乗るぶん、豊富な毛細血管網が実質を取り巻いているにゃん。

どうやって出すか3つの放出様式

漏出分泌(メロクリン) 細胞は無傷。顆粒だけ開口分泌 膵外分泌部・唾液腺 離出分泌(アポクリン) 頂部の細胞質ごとちぎれる 乳腺の脂肪分泌・アポクリン汗腺 全分泌(ホロクリン) 細胞まるごとが分泌物になる 脂腺(唯一の代表例)

3つの分泌様式
細胞がどこまで壊れるかで名前が変わる

  1. 漏出分泌(メロクリン)細胞が形を保ったまま、開口分泌で分泌物だけを放出するにゃん。いちばん一般的な様式で、細胞が損なわれないから繰り返し分泌できるにゃん。膵外分泌部・唾液腺・エクリン汗腺がこれにゃん。
  2. 離出分泌(アポクリン)細胞質の頂部が分泌物ごとちぎれて放出される様式にゃん。乳腺の脂肪分泌とアポクリン汗腺が代表にゃん。馬ではアポクリン汗腺が全身に分布していて、発汗の主体になっているにゃん。
  3. 全分泌(ホロクリン)細胞全体が崩壊して分泌物そのものになるにゃん。脂腺が唯一の代表例にゃん。細胞が失われ続けるので、基底部でつねに新しい細胞が補充されているにゃん。

何を出すか見た目でわかる分泌物の性状

  1. 漿液腺Serous gland細胞は円錐形で核は球形、基底部が強く好塩基性で頂部に酵素原顆粒があるにゃん。基底部が青く染まるのは粗面小胞体が豊富だからにゃん。
  2. 粘液腺Mucous gland胞体が淡明で泡沫状に見え、核は扁平になって基底部に押しつけられているにゃん。粘液がHE標本で染まりにくいせいで、細胞がスカスカに見えるにゃん。

4結合組織のみわけかた密度 → 配列 → 特殊なもの

結合組織は線維が密か疎か → 配列が規則的か → 特殊な細胞や基質があるかで分類するにゃん。上皮と違って、見るべきは細胞ではなく細胞外基質のほうにゃん。

  1. 疎性結合組織Loose connective tissue細胞と線維がまばらで、基質と組織液に富むにゃん。血管と神経の通り道になり、上皮を支え、免疫細胞が待機する場でもあるにゃん。粘膜固有層や粘膜下組織がこれで、炎症で最初に浮腫を起こすのもこの層にゃん。
  2. 密性規則性結合組織Dense regular線維の走行が一方向に完全に揃い、細胞成分に乏しいにゃん。一方向の張力にだけ耐えればいい部位の構造で、腱・靱帯・腱膜がこれにゃん。
  3. 密性不規則性結合組織Dense irregular膠原線維が三次元に交錯して、あらゆる方向の張力に耐えるにゃん。線維が密なのは規則性型と同じで、違うのは配列だけにゃん。どっちから引っぱられるか分からない部位(真皮の深層、臓器の被膜)に配置されるにゃん。
  4. 細網組織Reticular tissueIII型膠原線維が細い網目をつくり、その網目を自由細胞が満たすにゃん。造血器官とリンパ器官の骨組みにゃん。細網線維は鍍銀染色で黒く描出されるにゃん。
  5. 脂肪組織単胞性と多胞性大型の細胞が単一の脂肪滴で満たされ、核と細胞質が辺縁に押しやられて指輪状に見えるのが単胞性(白色脂肪)で、貯蔵とクッション担当にゃん。多胞性(褐色脂肪)は小型の脂肪滴が多数あってミトコンドリアに富み、熱産生を行うにゃん。新生子で発達するにゃん。
  6. 液状結合組織血液とリンパ基質が血漿またはリンパ液という、ちょっと変わった結合組織にゃん。線維はフィブリノゲンとして溶けた状態で存在するにゃん。ちなみに軟骨と骨は支持結合組織のグループにゃん。

結合組織にいる細胞見分けのポイント

  1. 線維芽細胞核は扁平で濃染し、周囲に膠原線維が広がるにゃん。線維と基質をつくる主役にゃん。
  2. 肥満細胞細胞質に異染性の粗大顆粒をもち、ヘパリンとヒスタミンを放出する遊走性の細胞にゃん。顆粒はトルイジンブルーで赤紫に異染するにゃん。犬の皮膚では肥満細胞腫が高頻度なので、臨床でもよく出てくるにゃん。
  3. 形質細胞車軸状の核と核周明庭をもつのが目印にゃん。抗体を産生するにゃん。

軟骨3型の鑑別見るのは基質だけ

  1. 硝子軟骨Hyaline cartilage細胞は軟骨小腔に閉じ込められ、基質は均質でガラス様にゃん。II型膠原線維は細くて屈折率が基質とほぼ同じなので、光学顕微鏡ではほとんど見えないにゃん。この「何もないように見える」ことが目印にゃん。
  2. 線維軟骨Fibrocartilage基質のなかに太い膠原線維の束が明瞭に走り、細胞が線維のあいだに列をなして並ぶにゃん。I型膠原線維に富み、椎間円板・恥骨結合・腱の骨付着部にあるにゃん。密性結合組織と硝子軟骨の中間的な性格にゃん。
  3. 弾性軟骨Elastic cartilage基質に暗色の細い線維が密に網目をつくるにゃん。弾性線維の網目のおかげで変形から復元できるにゃん。耳介と喉頭蓋が代表で、ワイゲルト染色などの弾性線維染色で確認するにゃん。

関節軟骨が治りにくい理由も組織で説明できるにゃん。軟骨の成長には、被膜の内層の細胞が新しい軟骨細胞になって表面に加わる付加性成長と、既存の軟骨細胞が内部で分裂する間質性成長があるにゃん。でも関節軟骨は軟骨膜を欠くので付加性成長ができず、栄養も滑液からの拡散頼みにゃん。もともと軟骨は無血管だから、栄養が拡散に限られて修復が進まない。これが修復能の低さの直接の原因にゃん。

5筋組織のみわけかた横紋 → 核 → 分枝

筋は2段階で確実に決まるにゃん。まず横紋の有無で2群に分け、横紋があれば核の位置と分枝で骨格筋と心筋を分けるにゃん。

骨格筋 横紋あり・分枝なし 多数の核が辺縁に並ぶ 心筋 横紋あり・分枝する 核は中央に1〜2個・介在板(太線) 平滑筋 横紋なし・紡錘形 核は中央に1個の葉巻型

筋組織の3型
横紋の有無でまず2つに割り、核の位置と分枝で仕上げる

  1. 骨格筋Skeletal muscle横紋があり、細胞は円柱状で長く、多数の核が細胞の辺縁(筋鞘の直下)に並ぶにゃん。筋芽細胞が融合してできた多核体(合胞体)なので核が多く、押しやられて辺縁に並ぶにゃん。これが最大の目印にゃん。
  2. 心筋Cardiac muscle横紋があり、細胞が枝分かれして、核は中央に1〜2個にゃん。細胞の境界に見える濃染した階段状の横線が介在板で、心筋だけがもつ結合装置にゃん。
  3. 平滑筋Smooth muscle横紋がなく紡錘形、核は中央に1個の葉巻型にゃん。アクチンとミオシンが規則的に配列しないから横紋が生じないにゃん。層をなして配置され、層ごとに走行方向が違うにゃん(消化管・血管・気道・膀胱・子宮)。

筋で問われやすい構造名前が似ていて紛らわしいもの

  1. 介在板心筋だけデスモソームが機械的に連結し、ギャップ結合が興奮を伝えるにゃん。おかげで心筋全体が機能的合胞体として動くにゃん。なおZ帯は筋節の境界で、こちらは細胞内の構造にゃん。混同しないようにするにゃん。
  2. トライアドとダイアド哺乳類の骨格筋ではT管1本を2つの終末槽が挟む三連構造(トライアド)にゃん。心筋はT管1本に終末槽1つが接する二連構造(ダイアド)で、これも両者の鑑別点になるにゃん。
  3. 衛星細胞骨格筋の幹細胞骨格筋線維の基底膜と筋鞘のあいだにいて、損傷後の再生の源になるにゃん。末梢神経節にも同じ名前の細胞がいるけれど、そっちは神経細胞体を取り囲むグリアでまったくの別物にゃん。
  4. 筋上皮細胞上皮なのに縮む外胚葉由来の上皮細胞なのにアクチンとミオシンを備えていて、腺房と導管を籠状に取り巻いて分泌物を押し出すにゃん。汗腺・唾液腺・乳腺にいて、乳腺ではオキシトシンで収縮して排乳を起こすにゃん。

6グリア細胞の6種中枢か末梢か、そして役割

グリアはまず中枢と末梢に分け、中枢では髄鞘・支持・免疫・裏打ちの4役に振り分けるにゃん。この2段階で6種が整理できるにゃん。

中枢神経系のグリア4つの役割分担

  1. アストロサイト支持・代謝・関門中枢で最も数が多いグリアにゃん。多数の突起を伸ばし、終足を血管に接して血液脳関門の維持に関与するにゃん。灰白質では原形質性、白質では線維性の型をとるにゃん。
  2. オリゴデンドロサイト中枢の髄鞘中枢で髄鞘を形成するにゃん。1個の細胞が複数の軸索に髄鞘を供給する(1対多)のが末梢との決定的な違いで、このせいで中枢では脱髄が広範囲に及びやすいにゃん。
  3. ミクログリア中枢のマクロファージ単球系(骨髄)に由来し、中枢神経系の免疫監視と貪食を担うにゃん。他のグリアが神経外胚葉由来なのに対し、ミクログリアだけが中胚葉由来という点が問われやすいにゃん。
  4. 上衣細胞脳室と中心管の裏打ち脳室と脊髄中心管の内面を裏打ちし、線毛をもつにゃん。上皮様に配列するけれど基底膜をもたないのが特徴にゃん。脈絡叢では立方形になって、脳脊髄液の産生に関与するにゃん。

末梢神経系のグリア2つ

  1. シュワン細胞末梢の髄鞘末梢神経で髄鞘を形成するにゃん。1個の細胞が1本の軸索の1節間だけを覆う(1対1)にゃん。細胞質と基底膜が軸索を包み、この基底膜と細胞索が残ることが、末梢神経が中枢と違って再生できる理由になるにゃん。
  2. 外套細胞(衛星細胞)神経節の細胞体を包む末梢の神経節で神経細胞体を取り囲む小型の細胞にゃん。微小環境を整える役目にゃん。骨格筋の衛星細胞とは名前が同じだけで別系統なので注意にゃん。

中枢が再生しにくい理由も、グリアで説明できるにゃん。中枢で軸索が損傷すると、反応性のアストロサイトが増殖してグリア瘢痕をつくり、軸索の伸長を物理的にも化学的にも阻むにゃん。末梢ではシュワン細胞の基底膜と細胞索が道しるべとして残るので再生できる。この対比で覚えるにゃん!

7消化管壁の4層構造内側から外側へ

4層と、各層に置かれる腺・神経叢・血管の対応が身につけば、消化管のどの部位の標本でも読めるようになるにゃん。図は犬の頸部食道の例にゃん。

内腔側 重層扁平上皮(非角化) 摩擦に耐える。反芻獣では強く角化 上皮 粘膜固有層(腺なし) 結合組織 粘膜筋板(縦走のみ) 筋 粘膜 粘膜下組織+粘液腺 粘膜下に腺をもつのは食道と十二指腸だけ 結合組織 マイスナー神経叢 神経 筋層(犬・反芻獣は全長が骨格筋) 馬と猫は尾側1/3〜1/2が平滑筋 筋 外膜(中皮なし) 腹部の短い区間だけが漿膜をもつ 結合組織 外側

食道の壁(犬・頸部)
色は担当する基本組織。上皮=オレンジ、結合=青、筋=赤、神経=紫

  1. 粘膜上皮+固有層+粘膜筋板最も内側の層で、3つの入れ子構造をとるにゃん。この定義を押さえておかないと、粘膜筋板がどっちの層かで必ず迷うにゃん。名前に「筋」とあるけれど、粘膜筋板は粘膜の最も外側の構成要素であって筋層ではないにゃん。
  2. 粘膜下組織Submucosa粘膜筋板の外側にあり、疎性結合組織に太い血管とマイスナー神経叢(粘膜下神経叢)を含むにゃん。粘膜を筋層の動きから切り離す緩衝層でもあるにゃん。マイスナー神経叢は主に分泌と局所の血流を調節するにゃん。
  3. 筋層Muscularis externa内輪走層と外縦走層のあいだにアウエルバッハ神経叢(筋間神経叢)があるにゃん。こちらは蠕動運動を統御する担当にゃん。この神経叢の先天的欠損が巨大結腸症の原因になるにゃん。
  4. 漿膜/外膜中皮があるかないか最外層が中皮に覆われていれば漿膜、覆われていなければ外膜にゃん。腹腔内の部位は漿膜、頸部食道や直腸の一部など後腹膜側の部位は外膜になるにゃん。

部位を言い当てる決め手試験でよく効くやつ

  1. 粘膜下組織に腺がある消化管で粘膜下に固有の腺をもつのは食道と十二指腸だけにゃん。十二指腸のブルンネル腺はアルカリ性の粘液を分泌して、流れ込む酸性の内容物を中和するにゃん。部位同定の強力な決め手にゃん。
  2. 絨毛と微絨毛はまったく別物絨毛は粘膜(上皮+固有層)が指状に突出したもので、芯に毛細血管網とリンパ管が走り、光学顕微鏡で見えるにゃん。微絨毛は上皮細胞の細胞膜の突出で、光学顕微鏡では刷子縁としてしか見えないにゃん。
  3. 食道を見分ける3点腺が粘膜下組織にあること、粘膜筋板が縦走のみであること(小腸などは内輪・外縦の2層)、筋層が骨格筋であること。この3つが食道を他の消化管から分けるにゃん。

8臓器を4組織に分解してみる仕上げの練習

ここまでの分類を使って、実際の臓器を「どの基本組織が、どんな形で入っているか」に分解してみるにゃん。この作業ができれば、組織学はもう自分のものにゃん。

  1. 気管4組織すべてを備える上皮=多列線毛上皮・杯細胞・粘膜下の混合腺/結合=C字型の硝子軟骨・粘膜固有層と粘膜下組織・輪状靱帯/筋=軟骨欠損部を橋渡しする平滑筋束/神経=迷走神経・上皮下の咳嗽反射受容器。
  2. 腎臓上皮のバリエーションが主役上皮=足細胞・被嚢・近位尿細管・細い部分・遠位尿細管・集合管という多彩な上皮/結合=間質の疎性結合組織と被膜/筋=血管壁の平滑筋と、変化した平滑筋である傍糸球体細胞/神経=血管とレニン分泌を調節する交感神経。
  3. 関節軟骨4組織原則の例外①実質のほぼすべてが硝子軟骨(II型膠原線維とプロテオグリカン)で、上皮・筋・神経はどれもなしにゃん。無血管・無神経という、かなり特殊な組織にゃん。
  4. 脊髄4組織原則の例外②神経=灰白質の神経細胞体・白質の有髄線維・3種のグリア/上皮=中心管を裏打ちする上衣細胞のみ/結合=硬膜・クモ膜・軟膜と血管周囲腔/筋=なし。筋組織を欠くのがポイントにゃん。

ほとんどの臓器は4組織すべてを備えているけれど、例外を先に知っておくと理解が深まるにゃん。関節軟骨は結合組織だけ、脊髄は筋を欠く。「なぜ欠けるのか」を考えると、その臓器の機能そのものが見えてくるにゃん!

組織学のミニテスト(10問)

0 / 10 問正解

選ぶとすぐに正解と解説が出るにゃん。まちがえた項目だけ、上の図やリストに戻って確認するにゃん。

Q1.上皮組織の定義的な特徴として正しくないのはどれ?

正解:組織の内部に豊富な血管網をもつ 上皮は無血管性にゃん。栄養は直下の結合組織から拡散で受け取るにゃん。高い細胞密度・基底膜への接着・無血管性の3点が定義的特徴にゃん。

Q2.血液は4つの基本組織のどれに分類される?

正解:結合組織 血液とリンパは細胞外基質が液体の液状結合組織にゃん。中胚葉由来で細胞が基質に散在するという、結合組織の定義をちゃんと満たしているにゃん。

Q3.核の高さが不揃いで一見多層に見えるが、すべての細胞が基底膜に接し、遊離面に線毛がある。この上皮は?

正解:多列線毛上皮 全細胞が基底膜に達していれば、見かけが多層でも単層にゃん。気道の代表的な上皮で、線毛細胞と杯細胞が混在するにゃん。

Q4.横紋をもつ細胞が枝分かれし、核は中央に1個。細胞の境界に濃染する階段状の横線がある。これは?

正解:心筋 階段状の横線は介在板で、心筋だけがもつ細胞間結合装置にゃん。骨格筋は分枝せず、多数の核が細胞の辺縁に並ぶにゃん。

Q5.細胞全体が崩壊して分泌物そのものになる様式と、その代表例の組み合わせは?

正解:ホロクリン分泌 ― 脂腺 脂腺が唯一の代表例にゃん。細胞が失われ続けるので、基底部で細胞がつねに補充されるにゃん。アポクリンは頂部の細胞質がちぎれる様式で、乳腺の脂肪分泌とアポクリン汗腺が代表にゃん。

Q6.腱・靱帯・腱膜を構成する結合組織はどれ?

正解:密性規則性結合組織 線維の走行が一方向に完全に揃い、細胞成分に乏しいにゃん。一方向の張力にだけ耐えればよい部位の構造にゃん。真皮の深層や臓器の被膜は密性不規則性にゃん。

Q7.硝子軟骨の基質を構成する主要な膠原線維の型は?

正解:II型 硝子軟骨と弾性軟骨の基質はII型、線維軟骨と腱・骨はI型にゃん。II型は細くて屈折率が基質とほぼ等しいので、光学顕微鏡でほとんど見えないにゃん。ちなみにIII型は細網線維にゃん。

Q8.中枢神経系で髄鞘を形成し、1個の細胞が複数の軸索に髄鞘を供給するグリアは?

正解:オリゴデンドロサイト 1対多で髄鞘を供給するのが末梢との決定的な違いにゃん。シュワン細胞は末梢で1対1(1本の軸索の1節間だけ)にゃん。

Q9.消化管壁で、粘膜筋板が属する層はどれ?

正解:粘膜 名称に「筋」とあるけれど、粘膜の最も外側の構成要素であって筋層ではないにゃん。粘膜は上皮・固有層・粘膜筋板の3つでできているにゃん。

Q10.消化管で、粘膜下組織に固有の腺をもつ部位の組み合わせは?

正解:食道と十二指腸 この2か所だけにゃん。十二指腸のブルンネル腺はアルカリ性の粘液を分泌して、流入する酸性内容物を中和するにゃん。部位同定の決め手になるにゃん。