獣医事法規|【獣医師国家試験対策】

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獣医事法規は、必須問題の前半を毎年ほぼ占める分野です。獣医師の免許と義務、診療施設、動物用医薬品、動物の愛護、感染症の届出について、条文の中身と、獣医師としてどう行動すべきかが問われています。

本ページでは、法律を「誰を(獣医師・診療施設・薬・動物)、何のために規制するか」で整理し、事例問題にも条文から答えられるようにまとめます。条文の内容は、e-Gov法令検索の法令データに基づいて確認しています。

過去問分析に基づく出題傾向
必須問題での出題毎年約15問
5回すべてで出題4つの法律
主な出題区分必須

第73回〜第77回では、獣医師法(13問)、動物用医薬品の法規(11問)、獣医療法(10問)、動物愛護管理法(10問)が5回すべてで出題されました。そのほか、家畜伝染病予防法、飼料安全法、感染症法、狂犬病予防法、愛玩動物看護師法、身体障害者補助犬法も出ています。

本ページの出題傾向は、第73回〜第77回(全1,650問)を編集部が分類集計したものです。

1. 獣医事法規の出題傾向

  • 条文の細部:獣医師でなければ診療できない飼育動物(うずらなど)、牛の診療簿の保存期間(8年)、罰金以上の刑を受けたときの免許の扱い、往診のみの獣医師の届出、麻薬施用者免許の対象、狂犬病予防法の対象動物
  • 事例問題:入院動物がいるときの急患への対応、虐待が疑われるとき、診療せずに薬を処方する行為、専門の施設への紹介、災害への備えの指導など、獣医師の行動の適否
  • 所管と制度:どの法律をどの省庁が所管するか、国際獣疫事務局(WOAH)の役割、動物福祉の「5つの自由」

2. 法律の全体像 — 誰を、何のために規制するか

3. 所管の省庁

  • 農林水産省:獣医師法、獣医療法、家畜伝染病予防法、飼料安全法、牛の個体識別の法律。薬機法のうち動物用医薬品
  • 環境省:動物愛護管理法、外来生物法
  • 農林水産省と環境省(共管):愛玩動物看護師法
  • 厚生労働省:薬機法(人の医薬品)、麻薬及び向精神薬取締法、感染症法、狂犬病予防法、身体障害者補助犬法
学習のコツ

所管は、その法律が何を守るためのものかで考えると覚えやすくなります。家畜と獣医療を守る法律は農林水産省、動物そのものと自然を守る法律は環境省、人の健康を守る法律は厚生労働省です。狂犬病予防法が厚生労働省なのは、人を狂犬病から守るための法律だからです。

4. 職業倫理と事例問題

必須問題の事例問題は、条文に根拠のある行動を選べば答えられるものが多くあります。

  • 診療を求められたとき:診療を業務とする獣医師は、正当な理由がなければ拒んではならない(獣医師法19条・応招義務)。自分の施設で対応できない場合は、対応できる施設を紹介するのが適切な行動
  • 診療せずに薬を出すこと:自ら診察しないで、劇毒薬、ワクチンなどの生物学的製剤、要指示医薬品などを投与・処方してはならない(獣医師法18条)。緊急でも同じ
  • インフォームドコンセント:診療の内容、効果とリスク、費用を十分に説明し、飼い主の理解と同意を得る
  • 保健衛生の指導:診療したときは、飼い主に衛生管理などの指導をしなければならない(獣医師法20条)。災害時の避難への備えの助言もこれにあたる
  • 虐待が疑われるとき:虐待を受けたと思われる動物を業務で見つけたときは、都道府県知事などに通報しなければならない(動物愛護管理法)
  • 動物福祉:動物の福祉は「5つの自由」(飢えと渇き、不快、痛み・負傷・病気、恐怖と苦悩からの自由、正常な行動を示す自由)で考える。国際獣疫事務局(WOAH)もこの考え方を指針としている

5. 重要テーマ別の詳細解説

人獣医師法

免許と欠格事由、免許の取消しと業務停止、獣医師でなければ診療できない飼育動物、無診察での処方の禁止、応招義務、診療簿、2年ごとの届出を、条文に沿って整理します。

→ 獣医師法の詳細解説を読む

施設獣医療法と愛玩動物看護師法

診療施設の開設の届出、管理者、往診のみの獣医師の扱い、広告の制限と、愛玩動物看護師が獣医師の指示の下で行える診療の補助の範囲を解説します。

→ 獣医療法と愛玩動物看護師法の詳細解説を読む

薬動物用医薬品の法規

要指示医薬品、食用動物への使用の規制と休薬期間、未承認医薬品の使用の禁止、獣医師の副作用報告、麻薬の取り扱い、飼料添加物を解説します。

→ 動物用医薬品の法規の詳細解説を読む

動物動物愛護管理法と動物福祉

虐待と遺棄の禁止、獣医師の通報、動物取扱業、マイクロチップ、特定動物、実験動物の3R、身体障害者補助犬法と外来生物法を解説します。

→ 動物愛護管理法と動物福祉の詳細解説を読む

感染症感染症に関わる法規

狂犬病予防法の対象動物と登録・予防注射、感染症法で獣医師が届け出る感染症と動物、輸入が禁止されている動物を解説します。家畜の伝染病は家畜伝染病予防法と届出伝染病の解説で扱っています。

→ 感染症に関わる法規の詳細解説を読む

6. 学習教材

理解度チェックと関連する記事

7. 獣医事法規の勉強法 ― おすすめの学習順序

  1. 全体像:本ページ第2章と第3章で、法律の対象と所管を押さえる
  2. 獣医師法:最も出題の多い法律。免許と義務の条文を確実にする
  3. 獣医療法と愛玩動物看護師法:診療施設とチーム獣医療
  4. 動物用医薬品と動物愛護管理法:毎回出題される2つの分野
  5. 感染症の法規と事例問題:第4章の事例を、条文を根拠に説明できるようにする
法改正に注意

法律は改正されることがあります。2025年6月からは、刑法の改正により罰則の「懲役」が「拘禁刑」に変わりました。本ページでは試験で問われる内容を中心にまとめています。最新の条文は、e-Gov法令検索で確認してください。

参考文献

執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)/小動物臨床、環境衛生監視員としての実務経験、獣医療系出版社での獣医学情報誌・獣医学書籍の編集経験、医療系情報サイトでの執筆経験
公開日:2026年9月29日/最終更新日:2026年9月29日
本ページは獣医学生および獣医療従事者の学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療上の判断は担当獣医師の責任において行ってください。