微生物学|【獣医師国家試験対策】

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微生物学は、ウイルス・細菌・真菌・リケッチアとクラミジア・プリオンといった病原体が「どんな構造をもち、どう増えるか」を学ぶ分野です。構造がわかれば、どんな病気を起こすか、どの消毒薬や抗菌薬が効くか、効かないかを導けます。

本ページでは、病原体を5つのグループに分けて特徴を整理し、国家試験で最も多く問われるウイルスの科の見分け方を中心に、重要テーマの詳細へ案内します。

過去問分析に基づく出題傾向
出題割合約9%
出題数の目安約29問
主な出題区分学説A・B

微生物学は科目別で2番目に多く出題されています。そのうちウイルスが半分近くを占め、「この病気の原因ウイルスは何科か」という問題と、ウイルスの性状の問題が中心です。細菌の構造と遺伝、毒素、真菌、検査法も出題されています。

本ページの出題傾向は、第73回〜第77回(全1,650問)を編集部が分類集計したものです。

1. 微生物学の出題傾向

  • ウイルス:原因ウイルスの科(フラビウイルス科、オルトミクソウイルス科、ヘルペスウイルス科、アルテリウイルス科など)、エンベロープとゲノム、抗原変異、高病原性鳥インフルエンザの亜型
  • 細菌:Rプラスミドによる薬剤耐性、染色法、リピドA、腸管出血性大腸菌と溶血性尿毒症症候群
  • 真菌:二形性菌、接合胞子、Microsporum canis、グロコット染色
  • そのほか:リケッチア、プリオン、薬剤感受性試験、検査法

2. 病原体の5つのグループ

  • ウイルス:DNAかRNAのどちらか一方だけをもつ。自分では増えられず、生きた細胞の中でだけ増える。抗菌薬は効かない
  • 細菌:DNAとRNAの両方をもつ原核生物。多くは人工の培地で増える。細胞壁の違いでグラム陽性とグラム陰性に分かれる
  • リケッチアとクラミジア:細菌だが、生きた細胞の中でしか増えられない(偏性細胞内寄生)
  • マイコプラズマ:細胞壁をもたない最小の細菌
  • 真菌:核をもつ真核生物。細胞壁と、エルゴステロールを含む細胞膜をもつ
  • プリオン:核酸をもたない、感染性のタンパク質

3. ウイルスの科を見分ける2つの問い

ウイルスの科は、「DNAかRNAか」と「エンベロープがあるか、ないか」の2つの問いで大きく4つに分けられます(図1)。まずこの枠に入れてから、個々の科の特徴を覚えると整理しやすくなります。

エンベロープあり エンベロープなし DNA ポックス、ヘルペスアスファ、ヘパドナ アデノ、パピローマパルボ、サーコ RNA トガ、フラビ、コロナ、アルテリパラミクソ、ラブド、オルトミクソブニヤウイルス目、アレナレトロ ピコルナ、カリシレオ、ビルナ

図1 DNAかRNAか、エンベロープの有無で分けた動物の主なウイルス科(「〜ウイルス科」を省略)。

エンベロープの有無は「消毒の効きやすさ」につながる

エンベロープは脂質の膜なので、アルコールや界面活性剤、乾燥で壊れやすく、エンベロープのあるウイルスは消毒しやすい相手です。エンベロープのないパルボウイルスやカリシウイルスは環境中で長く生き残り、アルコールが効きにくいため、次亜塩素酸などを使います。

サイトのカードゲーム「DNAか、RNAか」と「ウイルスエンベロープ」で、この2つの問いを繰り返し練習できます。

4. 学説A対策 — 病原体の構造と性質

5. 重要テーマ別の詳細解説

ウイルスDNAウイルスの科と代表的な病気

ポックス、ヘルペス、アスファ、アデノ、パピローマ、パルボ、サーコの各科の性状と、それぞれが起こす動物の病気を解説します。

→ DNAウイルスの科と代表的な病気の詳細解説を読む

ウイルスRNAウイルスの科と代表的な病気

ピコルナ、カリシ、トガ、フラビ、コロナ、アルテリ、パラミクソ、ラブド、オルトミクソ、ブニヤウイルス目、レオ、ビルナ、レトロの各科の性状と病気を解説します。

→ RNAウイルスの科と代表的な病気の詳細解説を読む

ウイルスウイルスの増殖と変異

増殖の流れ、逆転写、抗原シフトと抗原ドリフト、潜伏感染と持続感染、ウイルスの培養と検出法を解説します。

→ ウイルスの増殖と変異の詳細解説を読む

細菌細菌の構造・遺伝・毒素

グラム陽性菌と陰性菌、芽胞・莢膜・べん毛、酸素要求性、遺伝子の伝達と薬剤耐性、外毒素と内毒素を解説します。

→ 細菌の構造・遺伝・毒素の詳細解説を読む

そのほか真菌・リケッチア・クラミジア・マイコプラズマ・プリオン

それぞれの構造の特徴と、そこから導ける性質や代表的な病気を解説します。

→ 真菌・リケッチア・プリオンなどの詳細解説を読む

6. 学習教材

理解度チェックと関連する記事

7. 微生物学の勉強法 ― おすすめの学習順序

  1. 5つのグループ:本ページ第2章で、病原体の構造の違いを押さえる
  2. ウイルスの2つの問い:第3章の図で、DNAかRNAか、エンベロープの有無を覚える
  3. ウイルスの科:DNAウイルスとRNAウイルスの記事で、科ごとの病気を結びつける
  4. 増殖と変異:ウイルスの増え方と変わり方、検出法
  5. 細菌とそのほか:細菌の構造・遺伝・毒素、真菌・リケッチア・プリオンで仕上げる

参考文献

執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)/小動物臨床、環境衛生監視員としての実務経験、獣医療系出版社での獣医学情報誌・獣医学書籍の編集経験、医療系情報サイトでの執筆経験
公開日:2026年9月29日/最終更新日:2026年9月29日
本ページは獣医学生および獣医療従事者の学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療上の判断は担当獣医師の責任において行ってください。