臨床看護技術(保定・投薬・注射・輸液)の頻出ポイント|愛玩動物看護師国家試験対策

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VETERINARY NURSE EXAM / 頻出分野の解説

臨床看護技術(保定・投薬・注射・輸液)の頻出ポイント

保定、投薬、注射の準備、輸液の管理、入院中のお世話。臨床看護技術は、愛玩動物看護師の毎日の仕事そのものです。試験では、器具の写真や、手順の正しい順番を選ぶ問題がよく出ます。「動物にとって安全で、負担が少ないやり方はどれか」を考えると、答えが見えてきますよ。

第1〜4回の出題数80問
1回あたり約20問
区分の内訳(4回分)必須10・一般42・実地28

この記事で学ぶこと

  1. バイタルサイン(体温・心拍数・呼吸数・CRT)の目安と測り方
  2. 保定のしかたと、注射・採血によく使う部位
  3. 薬の飲ませ方、目薬・耳の薬のさし方
  4. 輸液の器具と、輸液中に観察すること
  5. 入院中の看護、救急のときの考え方

1. バイタルサイン ― まずは「いつもの値」を知る

犬(目安)猫(目安)
体温(直腸)およそ38〜39℃およそ38〜39℃
心拍数(1分間)およそ60〜160回(体の小さい犬ほど多い)およそ140〜220回
呼吸数(1分間・安静時)およそ10〜30回およそ20〜30回

数値は目安で、教科書によって少し幅があります。緊張や興奮でも上がるので、落ち着いているときに測りましょう。

  • 脈拍:太ももの内側(大腿動脈)で触れて数えます
  • CRT(毛細血管再充満時間):歯ぐきを指で押して白くし、ピンク色に戻るまでの時間。およそ2秒以内が正常で、長くなると血のめぐりが悪いサインです
  • 粘膜の色:ピンクが正常。白っぽい(貧血・ショック)、青紫(酸素不足)、黄色(黄疸)に注意します
  • 脱水の目安:背中の皮膚をつまんで離したときの戻りの遅さ、口の粘膜の乾き、目のくぼみ

2. 保定 ― 動物にも人にも安全に

  • 保定の姿勢:立位、座位、伏臥位(おなかを下)、横臥位(横向き)など、処置に合わせて選びます
  • 犬は、片腕で首を、もう片方の腕で体をしっかり抱えるのが基本です。かむおそれがあるときは口輪を使います
  • 猫は、バスタオルで体を包むと落ち着きやすく、爪からも身を守れます
  • 傷や手術のあとをなめないように、エリザベスカラーをつけます
看護のポイント

強い力で押さえつけるほど、動物は怖がって暴れます。必要最小限の力で、短い時間で終えること、やさしく声をかけることを心がけましょう。

3. 注射と採血によく使う部位

種類よく使う部位
皮下注射・皮下輸液首の後ろから背中の、皮膚のたるんだところ(肩甲骨の間あたり)
筋肉内注射太ももの後ろの筋肉、腰の筋肉
静脈(採血・点滴)前肢の橈側皮静脈、後肢の伏在静脈(犬は外側伏在静脈、猫は内側伏在静脈がよく使われる)、首の頸静脈

静脈から採血するときは、保定する人が血管の心臓側を押さえて血管を浮き上がらせます(駆血)。採血が終わったら、押さえを先にゆるめてから針を抜き、刺したところをしばらく押さえて止血します。

4. 薬の飲ませ方・さし方

  • 錠剤:上あごを持って口を開け、錠剤を舌のつけ根の奥に置き、口を閉じてのどをやさしくさすって飲み込ませます。猫では錠剤が食道に残らないよう、あとから水を少し飲ませます
  • 目薬:あごを少し上に向け、上まぶたを引き上げて、容器の先が目に触れないようにさします。2種類以上の目薬は、少し間をあけます
  • 耳の薬:耳の先を持って耳の穴をまっすぐにし、薬を入れたら耳のつけ根をやさしくもみます
飼い主さんへの説明

おうちで薬を続けてもらうには、やり方を実際に見せて、一緒にやってみることが大切です。飲ませにくいときの工夫(おやつに包む、粉にして混ぜるなど)も、獣医師と相談しながら伝えます。

5. 輸液 ― 器具と、輸液中の観察

よく使う器具

  • 留置針:血管の中に柔らかい管を残しておく針。何度も刺さずにすむ
  • 延長チューブ:留置針と輸液のラインをつなぐ管
  • 三方活栓:栓を回して、液が流れる方向を切りかえる部品。ラインの途中から薬を入れるときにも使う
  • 輸液ポンプ・シリンジポンプ:決められた速さで正確に液を送る機械

輸液の種類(ざっくり)

  • 細胞外液補充液(乳酸リンゲル液、生理食塩液など):失われた体液を補う。脱水やショックのときに使われる
  • 維持液:毎日の水分と電解質を補う
輸液中に観察すること
  • 留置したところが腫れていないか(液が血管の外に漏れていないか)、ラインが折れたり外れたりしていないか
  • 呼吸が速くなっていないか、まぶたや足がむくんでいないか(入れすぎのサイン)
  • おしっこがきちんと出ているか、元気や食欲はどうか

6. 入院中の看護と、救急のときの考え方

  • 体位変換:自分で動けない動物は、数時間ごとに寝る向きを変えて、床ずれ(褥瘡)を防ぎます。柔らかい敷物を使い、体を清潔に保ちます
  • 食事の補助:自分で食べられないときは、鼻や食道、胃に入れたチューブから栄養を与えることがあります
  • リハビリ:関節をやさしく曲げ伸ばしする運動や、水の中を歩く運動などで、筋力の回復を助けます
  • トリアージ:たくさんの動物が来たときは、来た順ではなく、緊急度の高い順に診ます。呼吸、血のめぐり(粘膜の色・CRT・脈)、意識の状態で判断します
  • 心肺蘇生:呼吸と心臓が止まったときは、すぐに胸を強く速く押す胸部圧迫と、気管チューブを使った人工呼吸を、チームで役割を分けて行います
終末期の看護とグリーフケア

治る見込みの少ない動物には、痛みや苦しさをやわらげ、その子らしく過ごせるように支えます。動物を亡くした飼い主さんの悲しみ(ペットロス)に寄り添うことも、愛玩動物看護師の大切な役割です。

臨床看護技術のまとめ ― 試験の前にもう一度

ここだけは押さえよう
  • CRTはおよそ2秒以内が正常。粘膜の色はピンクが正常
  • 皮下注射は首の後ろから背中、静脈は橈側皮静脈・伏在静脈・頸静脈
  • 猫の静脈は内側伏在静脈、犬は外側伏在静脈がよく使われる
  • 三方活栓は液の流れる方向を切りかえる部品
  • 輸液中は、漏れ(腫れ)、呼吸の速さ、むくみ、尿量を観察する
  • トリアージは緊急度の高い順に診ること

臨床看護技術の確認問題

問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。

Q1. CRT(毛細血管再充満時間)の正常の目安を答えてください。

答え:およそ2秒以内です。長くなると、血のめぐりが悪いこと(脱水やショックなど)のサインです。

Q2. 猫の後肢で採血によく使われる静脈はどれですか?

答え:内側伏在静脈です。犬では外側伏在静脈がよく使われます。

Q3. 輸液のラインで、液の流れる方向を切りかえる部品を何といいますか?

答え:三方活栓です。ラインの途中から薬を入れるときにも使います。

Q4. 輸液中に、留置したところが腫れてきました。考えられることは何ですか?

答え:液が血管の外に漏れている可能性があります。すぐに輸液を止めて、獣医師に報告します。

Q5. トリアージとは何ですか?

答え:たくさんの患者がいるときに、来た順ではなく、緊急度の高い順に診る順番を決めることです。

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覚えたことを、忘れないうちに

この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。

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執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)
出題数は、第1回〜第4回愛玩動物看護師国家試験(計800問)を編集部が分類・集計したものです(推定)。本ページは学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療や看護は、獣医師の指示に従ってください。