愛玩動物看護師国家試験対策 > 基礎動物学 > 形態機能学(体のしくみ)
VETERINARY NURSE EXAM / 頻出分野の解説
形態機能学(体のしくみ)の頻出ポイント
形態機能学は、体のつくりとはたらきを学ぶ分野です。愛玩動物看護師国家試験では最も出題の多い分野で、ほかのすべての科目の土台になります。覚えることが多く感じるかもしれませんが、「どこにあって、何をしているか」をセットで押さえていけば大丈夫。よく出るところから、一緒に確かめていきましょう。
この記事で学ぶこと
- 犬と猫の歯の数(歯式)
- 心臓の中を血液が流れる順番と、拍動のリズムをつくるしくみ
- 腎臓で尿がつくられるしくみと、尿の通り道
- ホルモンを出す臓器と、それぞれのホルモンのはたらき
- 自律神経(交感神経と副交感神経)のはたらき
1. 歯 ― 犬は42本、猫は30本
歯の数は、毎回のように問われる定番です。上あごと下あごの片側ずつの本数を並べた式を歯式といいます。
| 切歯 | 犬歯 | 前臼歯 | 後臼歯 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 犬(永久歯) | 上3・下3 | 上1・下1 | 上4・下4 | 上2・下3 | 42本 |
| 猫(永久歯) | 上3・下3 | 上1・下1 | 上3・下2 | 上1・下1 | 30本 |
- 乳歯は犬28本、猫26本。乳歯には後臼歯がありません
- 犬の上あごの第4前臼歯と下あごの第1後臼歯は、肉を切る大きな歯(裂肉歯)です。上あごの第4前臼歯の根の感染は、目の下が腫れる原因になります
表の数字は、左右の片側ずつの本数です。合計は「(上の合計+下の合計)×2」で求めます。犬は(10+11)×2=42、猫は(8+7)×2=30です。
ぬりえで覚える:歯犬と猫の歯を種類ごとに塗り分けて、本数(犬42本・猫30本)と裂肉歯の位置を確かめましょう。
歯のぬりえを開く2. 心臓 ― 血液の流れる順番
心臓には、右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋があり、部屋の出口には血液の逆流を防ぐ弁がついています。
- 全身から戻ってきた血液 → 大静脈 → 右心房
- (三尖弁)→ 右心室 →(肺動脈弁)→ 肺動脈 → 肺(ここで酸素を受け取る)
- 肺 → 肺静脈 → 左心房 →(僧帽弁)→ 左心室
- (大動脈弁)→ 大動脈 → 全身へ
名前に「動脈」とあっても、肺動脈には酸素の少ない血液が、肺静脈には酸素の多い血液が流れます。動脈・静脈は「心臓から出ていくか、戻ってくるか」で決まります。
ぬりえで覚える:心臓4つの部屋と5つの血管を塗り分けると、血液の流れと「肺動脈なのに酸素の少ない血液」がひと目でわかります。
心臓のぬりえを開く拍動のリズムをつくるしくみ(刺激伝導系)
心臓は、自分で電気の信号をつくって動いています。信号は洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 左右の脚 → プルキンエ線維の順に伝わり、心房、心室の順に縮みます。心電図のP波は心房が、QRS波は心室が興奮したしるしです。
犬で多い僧帽弁閉鎖不全症は、左心房と左心室の間の僧帽弁がきちんと閉じなくなる病気です(くわしくは内科疾患の記事で)。
3. 呼吸 ― 肺での酸素と二酸化炭素の入れかえ
- 鼻・咽頭・喉頭・気管・気管支を通って、空気は肺の奥の肺胞に届きます
- 肺胞と、そのまわりの細い血管のあいだで、酸素と二酸化炭素が入れかわります
- 息を吸うときは、胸とおなかの仕切りの筋肉である横隔膜が縮んで、胸の中が広がります
- 呼吸の深さや回数は、脳の延髄にある呼吸中枢が、主に血液の二酸化炭素の量を見て調節しています
4. 消化 ― 食べ物の通り道と、助ける臓器
口 → 食道 → 胃 → 小腸(十二指腸・空腸・回腸)→ 大腸(盲腸・結腸・直腸)→ 肛門、の順に進みます。
- 肝臓:胆汁をつくる、栄養をたくわえる、薬や毒を処理する。胆汁は胆嚢にためられ、十二指腸に出て脂肪の消化を助けます
- 膵臓:消化酵素を十二指腸に出す(外分泌)と同時に、インスリンなどのホルモンを血液に出す(内分泌)、2つの顔をもつ臓器です
- 栄養の吸収は主に小腸、水分の吸収は大腸でも行われます
猫は完全な肉食動物で、消化管が短く、盲腸はとても小さくなっています。タウリンなど、食事からとらなければならない栄養素もあります。
ぬりえで覚える:消化管食道から直腸までと、肝臓・胆嚢・膵臓を塗り分けて、食べ物の通り道を確かめましょう。
消化管のぬりえを開く5. 腎臓 ― 尿がつくられるしくみ
腎臓の中には、尿をつくる小さな単位(ネフロン)がたくさんあります。
- 糸球体で血液をこして、尿のもと(原尿)をつくる
- 尿細管で、水分や栄養など体に必要なものを血液に戻す(再吸収)
- 残ったものが尿になり、腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道の順に流れて体の外へ出る
原尿のほとんどの水は再吸収されます。この水の量を調節しているのが、下垂体の後葉から出る抗利尿ホルモンです。腎臓は、血圧の調節や、赤血球をふやすホルモン(エリスロポエチン)をつくる仕事もしています。
6. ホルモン ― どこから出て、何をするか
| 臓器 | 主なホルモン | はたらき |
|---|---|---|
| 下垂体(前葉) | 成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン など | ほかの内分泌腺に「ホルモンを出して」と指令する |
| 下垂体(後葉) | 抗利尿ホルモン、オキシトシン | 尿を濃くする/子宮を収縮させ、乳を押し出す |
| 甲状腺 | 甲状腺ホルモン | 体の代謝を高める |
| 上皮小体 | 上皮小体ホルモン | 血液のカルシウムを増やす |
| 副腎皮質 | コルチゾール、アルドステロン | 血糖を上げ、炎症を抑える/ナトリウムを体に残す |
| 副腎髄質 | アドレナリン | 心拍数や血圧を上げる(緊急時の反応) |
| 膵臓 | インスリン、グルカゴン | 血糖を下げる/血糖を上げる |
「血糖を下げるホルモンはインスリンだけ」はよく問われます。反対に、血糖を上げるホルモンはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモンなど、たくさんあります。
7. 自律神経 ― 「戦うとき」と「休むとき」
自律神経は、意識しなくても内臓のはたらきを調節している神経で、2つの種類がシーソーのようにバランスをとっています。
| 交感神経(戦うとき・逃げるとき) | 副交感神経(休むとき・食べるとき) | |
|---|---|---|
| 心臓 | 心拍数が上がる | 心拍数が下がる |
| 瞳孔 | 開く(散瞳) | 縮む(縮瞳) |
| 気管支 | 広がる | せまくなる |
| 消化管 | 動きがおだやかになる | 動きが活発になる、よだれが出る |
動物病院で緊張している動物の瞳孔が開いていたり、心拍数が高かったりするのは、交感神経がはたらいているからです。
形態機能学のまとめ ― 試験の前にもう一度
- 犬の永久歯は42本、猫は30本。乳歯は犬28本、猫26本
- 血液は 右心房 → 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 → 左心室 → 大動脈 の順
- 刺激伝導系は 洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 脚 → プルキンエ線維
- 尿は 糸球体でこして、尿細管で必要なものを戻してつくられる
- 血糖を下げるホルモンはインスリンだけ。上皮小体ホルモンは血液のカルシウムを増やす
- 交感神経は心拍数を上げ、瞳孔を開く。副交感神経はその逆
形態機能学の確認問題
問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。
Q1. 犬の永久歯は全部で何本ですか?
答え:42本です。猫は30本、乳歯は犬28本、猫26本です。
Q2. 左心室から出た血液が最初に流れる血管は何ですか?
答え:大動脈です。大動脈弁を通って全身へ送り出されます。
Q3. 腎臓で血液をこして、尿のもと(原尿)をつくる部分はどこですか?
答え:糸球体です。そのあと尿細管で、水分や栄養など体に必要なものが血液に戻されます。
Q4. 血糖を下げるはたらきをもつホルモンを答えてください。
答え:インスリンです(膵臓から出ます)。血糖を下げるホルモンは、インスリンだけです。
Q5. 交感神経がはたらくと、瞳孔はどうなりますか?
答え:開きます(散瞳)。心拍数も上がり、体が「戦う・逃げる」準備をします。
REVIEW DECK mini
覚えたことを、忘れないうちに
この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。
あわせて読みたいページ
ほかの頻出分野の記事
EXAM COUNTDOWN
第5回愛玩動物看護師国家試験まで
あと―日
試験日:2027年2月14日(日)
日数は日本時間で数えています。最新の試験情報は、下の参考サイトで確認してください。
参考サイト
- 農林水産省「愛玩動物看護師」国家試験の日程、受験資格、制度についての情報
- 一般財団法人 動物看護師統一認定機構指定試験機関。試験の実施要項や過去の試験問題など