臨床検査(血液・尿・便・皮膚)の頻出ポイント|愛玩動物看護師国家試験対策

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臨床検査(血液・尿・便・皮膚)の頻出ポイント

臨床検査は、愛玩動物看護師がいちばん手を動かす仕事のひとつです。試験でも出題が多く、とくに実地問題では、器具や顕微鏡の写真を見て答える問題がたくさん出ます。「何を調べるために、どう準備して、何を見るか」の順に整理していきましょう。

第1〜4回の出題数103問
1回あたり約26問
区分の内訳(4回分)必須19・一般43・実地41

この記事で学ぶこと

  1. 採血管の種類と、それぞれで調べられる検査
  2. ヘマトクリット値の測り方と、血液塗抹の作り方
  3. 尿の採り方と、尿比重・試験紙・沈渣の見方
  4. 便の検査の3つの方法と、皮膚の検査の使い分け
  5. 画像検査と心電図の基本

1. 血液検査 ― 採血管を正しく選ぶ

血液は、体の外に出ると固まり始めます。調べたい項目に合わせて、固まらないようにする薬(抗凝固剤)が入った採血管を選びます。

採血管(ふたの色の目安)入っているもの主な検査
紫EDTA血球計算(赤血球・白血球・血小板の数)、血液塗抹
緑ヘパリン血漿を使う生化学検査
青クエン酸ナトリウム血液凝固検査(決められた量の血液を正確に入れる)
赤・茶など抗凝固剤なし(固まるのを早める薬など)血清を使う生化学検査、ホルモンの検査
血漿と血清の違い

抗凝固剤を入れて遠心したときの上の液が血漿、固まらせてから遠心したときの上の液が血清です。血清には、固まるときに使われた凝固因子が含まれていません。

看護のポイント
  • 採血したら、管をゆっくり何度か転倒混和して、抗凝固剤と混ぜる(強く振ると赤血球が壊れる=溶血)
  • 凝固検査の管は、血液と薬の割合が決まっているので、決められた線まで正確に入れる
  • 食後の採血は血液が白く濁ること(乳び)があり、検査値に影響する

ヘマトクリット値(PCV)

細いガラス管(毛細管)に血液を入れて遠心し、血液全体に占める赤血球の割合を測ります。赤血球の上にできる白い薄い層(バフィーコート)は白血球と血小板、いちばん上は血漿です。血漿の色(黄色=黄疸、赤=溶血、白=乳び)も一緒に観察します。血漿の総タンパク質は、屈折計で測ります。

血液塗抹の作り方

  1. スライドガラスの端に、血液を小さく1滴のせる
  2. 別のガラス(引きガラス)を30〜45度に傾けて血液に触れさせ、血液が広がったら
  3. 同じ速さで、すっと前に引いて薄くのばす
  4. 乾かしてから染色し(ギムザ染色、ライト染色、簡易染色など)、顕微鏡で観察する

うまくできた塗抹は、端がうすく羽のように広がります。赤血球が1層に並ぶ部分で、白血球の種類を数えます。

2. 尿検査 ― 採り方から見る

尿の採り方

  • 自然排尿:体への負担がない。ただし、外の細菌が混ざりやすい
  • カテーテル採尿:尿道から管を入れて採る
  • 膀胱穿刺:おなかの外から膀胱に針を刺して採る。細菌が混ざらないので、尿の細菌培養に向いている

尿の見方

  • 尿比重:屈折計で測る。尿をどれだけ濃くできているかを表し、犬ではおよそ1.030以上、猫では1.035以上なら、よく濃縮できている目安
  • 試験紙:pH、タンパク質、ブドウ糖、ケトン体、潜血などを色の変化で調べる
  • 尿沈渣:尿を遠心して、沈んだもの(細胞・結晶・円柱・細菌)を顕微鏡で見る
試験のポイント(結晶の形)
  • ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム):棺のふたのような形。アルカリ性の尿で見られる
  • シュウ酸カルシウム:封筒のような形(四角の中にバツ印)
看護のポイント

尿は時間がたつと結晶ができたり、細菌が増えたりします。採ったらなるべく早く(目安として30分〜1時間以内)検査し、すぐにできないときは冷蔵します。

3. 便の検査 ― 3つの方法を使い分ける

  • 直接法:少量の便を生理食塩水でのばして、そのまま見る。動いている原虫(ジアルジアの栄養型など)を見つけやすい
  • 浮遊法:重い液(飽和食塩水など)に便を混ぜ、軽い虫卵やシストを浮かせて集める。回虫や鉤虫の卵、コクシジウムのオーシストなど
  • 沈殿法:重くて浮かない吸虫の卵などを、沈めて集める

4. 皮膚と耳の検査 ― 何を探すかで方法が変わる

方法やり方主に見つけるもの
皮膚掻爬検査メスの刃で皮膚をこすり取る疥癬のダニ(浅く広く)、毛包虫(深く、少し血がにじむまで)
抜毛検査毛を抜いて根もとを見る毛包虫、皮膚糸状菌
テープ検査セロハンテープを皮膚に押し当てるマラセチア(酵母)、ツメダニ
ウッド灯検査暗い部屋で紫外線を当てる皮膚糸状菌の一部(緑色に光る)
耳垢の検査綿棒で耳垢を採って見る耳ヒゼンダニ、マラセチア、細菌

5. 画像検査と心電図

  • X線検査:骨は白く、空気は黒く写る。撮影を手伝う人は、防護衣と防護手袋を着け、線量計を身につけて被ばくを減らす
  • 超音波検査:当てる部分の毛を刈り、ゼリーをつけて、空気が入らないようにして見る。心臓やおなかの臓器の動きや中の様子がわかる
  • 心電図:多くは右を下にして寝かせ(右横臥)、四肢に電極をつけて記録する。P波は心房、QRS波は心室の興奮を表す
看護のポイント

どの検査でも、動物ができるだけ落ち着いていられるよう、声をかけながらやさしく保定することが大切です。暴れてしまうと、検査の結果にも影響します。

臨床検査のまとめ ― 試験の前にもう一度

ここだけは押さえよう
  • 紫=EDTA(血球計算)、緑=ヘパリン、青=クエン酸ナトリウム(凝固検査)
  • 抗凝固剤を入れた上の液は血漿、固まらせた上の液は血清
  • 血液塗抹は引きガラスを30〜45度に傾けてのばす
  • 細菌培養の尿は膀胱穿刺で採る。尿は採ったら早めに検査する
  • ストルバイトは棺のふた形、シュウ酸カルシウムは封筒形
  • 便:直接法(動く原虫)、浮遊法(虫卵・シスト)、沈殿法(吸虫卵)
  • 毛包虫の掻爬は深く、疥癬は浅く広く

臨床検査の確認問題

問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。

Q1. 血球計算(赤血球や白血球の数)を調べるときに使う採血管に入っている抗凝固剤は何ですか?

答え:EDTAです(ふたは紫色のことが多い)。血液塗抹にも使います。

Q2. ヘマトクリット管を遠心したとき、赤血球の上にできる白い薄い層は何ですか?

答え:バフィーコートです。白血球と血小板が集まった層です。

Q3. 尿の細菌培養をしたいとき、最も適した採尿の方法は何ですか?

答え:膀胱穿刺です。外の細菌が混ざらないため、培養に向いています。

Q4. 吸虫の卵を見つけたいとき、便の検査ではどの方法を使いますか?

答え:沈殿法です。吸虫の卵は重くて浮かないため、沈めて集めます。

Q5. 毛包虫(ニキビダニ)を見つけるための皮膚掻爬検査のコツは何ですか?

答え:毛包の奥にいるため、少し血がにじむくらい深くこすり取ることです。

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この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。

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執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)
出題数は、第1回〜第4回愛玩動物看護師国家試験(計800問)を編集部が分類・集計したものです(推定)。本ページは学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療や看護は、獣医師の指示に従ってください。