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VETERINARY NURSE EXAM / 頻出分野の解説
感染症(ワクチン・消毒・人獣共通感染症)の頻出ポイント
感染症の分野では、ワクチンで防ぐ病気、病院の中で感染を広げないための消毒、そして人と動物のあいだでうつる病気がよく問われます。どれも、愛玩動物看護師が飼い主さんに説明したり、院内で実際に取り組んだりすることばかりです。「なぜそうするのか」を一緒に確かめていきましょう。
この記事で学ぶこと
- 犬と猫のコアワクチンで防ぐ病気
- 子犬・子猫のワクチンを何回か打つ理由と、副反応への注意
- 狂犬病予防法で飼い主に求められること
- 消毒薬の効き方の違いと、院内感染を防ぐ工夫
- 人と動物のあいだでうつる病気と、その予防
1. ワクチンで防ぐ病気
すべての犬や猫に接種がすすめられるワクチンをコアワクチン、暮らし方や地域に合わせて選ぶワクチンをノンコアワクチンといいます。
| コアワクチンで防ぐ病気 | ノンコアワクチンの例 | |
|---|---|---|
| 犬 | 犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス) | レプトスピラ症、犬パラインフルエンザ など |
| 猫 | 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス)、猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス)、猫カリシウイルス感染症 | 猫白血病ウイルス感染症 など |
- 犬パルボウイルス感染症:激しい嘔吐と血の混じる下痢。子犬では命にかかわる
- 犬ジステンパー:発熱、目やにと鼻水、咳、下痢、けいれん。肉球が硬くなることもある
- 猫の「かぜ」:ヘルペスウイルスでは目の症状、カリシウイルスでは口の中の潰瘍が目立つ
子犬・子猫は、なぜ何回も打つの?
生まれたばかりの子は、母親の初乳から抗体(移行抗体)をもらって守られています。ところが、この抗体が残っているあいだはワクチンが効きにくく、いつ抗体がなくなるかは子によって違います。そのため、時期をずらして何回か接種し、確実に免疫がつくようにします。
まれに、接種のすぐあとに顔の腫れ、嘔吐、ぐったりする、呼吸が苦しいといったアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。接種のあとしばらくは院内や近くで様子を見てもらい、帰宅後の注意点も伝えましょう。
2. 狂犬病予防法 ― 犬の飼い主の3つの義務
- 登録:犬を飼い始めたら、市町村に登録する(一生に1回)。鑑札が交付される
- 予防注射:毎年1回、狂犬病の予防注射を受けさせる。注射済票が交付される
- 鑑札と注射済票を犬につける
狂犬病は、発症するとほぼ100%亡くなる、人にもうつる病気です。日本では長く発生していませんが、海外では今も多くの人が亡くなっています。マイクロチップの登録を鑑札の代わりとする特例を設けている市町村もあります。
3. 消毒 ― 病原体によって効く薬が違う
ウイルスの中には、外側に脂質の膜(エンベロープ)をもつものと、もたないものがあります。膜のないウイルスは、アルコールが効きにくく、環境の中でも長く生き残ります。
| 消毒薬 | 特徴 |
|---|---|
| アルコール(エタノール) | 手指や器具に。膜のある病原体によく効く。膜のないウイルス(パルボウイルス、カリシウイルスなど)には効きにくい |
| 次亜塩素酸ナトリウム | 膜のないウイルスにも効く。パルボウイルスで汚れた場所の消毒に。金属を傷め、汚れ(有機物)が多いと効き目が落ちる |
| 逆性石けん(塩化ベンザルコニウム) | においが少なく、器具や環境に。ふつうの石けんと混ざると効き目がなくなる |
| クロルヘキシジン、ポビドンヨード | 手術前の皮膚の消毒や、手術前の手洗いに |
細菌の芽胞は、ほとんどの消毒薬に強いため、手術器具は高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)などで滅菌します。
- 動物にさわる前とあとに、必ず手を洗う
- パルボウイルス感染症などが疑われる動物は、待合室を通らずに隔離室へ案内し、隔離室専用のガウン・手袋・器具を使う
- 使った注射針は、専用の容器に捨てる(感染性廃棄物)
4. 人と動物のあいだでうつる病気(人獣共通感染症)
| 病気 | うつり方 | 予防のポイント |
|---|---|---|
| パスツレラ症 | 犬や猫の口の中の細菌が、かみ傷やひっかき傷から | 口移しをしない、傷はよく洗う |
| 猫ひっかき病 | 猫にひっかかれる・かまれる(ノミが猫にうつす) | 猫のノミ予防 |
| トキソプラズマ症 | 猫の便の中の原虫が、時間がたって感染力をもつ | 猫の便はすぐに片づける。妊娠中の人はとくに注意 |
| 皮膚糸状菌症 | かびがついた動物にふれて | 感染した動物を早く治療し、さわったら手を洗う(人では輪のような赤い発疹ができる) |
| 重症熱性血小板減少症候群(SFTS) | マダニにかまれて。発症した猫や犬の体液からも | マダニ予防。体調の悪い動物を扱うときは手袋などで防護 |
| オウム病 | インコなどの鳥の、乾いた便を吸い込んで | 鳥かごの掃除はこまめに。口移しをしない |
5. 寄生虫の予防
- 犬糸状虫症(フィラリア症):蚊が運ぶ。蚊の出る季節に予防薬を続ける。予防を始める前に、すでに感染していないかを検査する
- ノミ・マダニ:かゆみや皮膚炎だけでなく、ほかの病気を運ぶ。定期的に予防する
- おなかの虫:回虫などは、子犬・子猫では母親からうつることがある。便の検査と駆虫で対処する
感染症のまとめ ― 試験の前にもう一度
- 犬のコアワクチン:ジステンパー・パルボ・伝染性肝炎。猫:汎白血球減少症・ヘルペス・カリシ
- 子犬・子猫は移行抗体があるため、時期をずらして何回か接種する
- 狂犬病予防法:登録(一生に1回)・予防注射(毎年1回)・鑑札と注射済票の装着
- 膜のないウイルス(パルボなど)にはアルコールが効きにくく、次亜塩素酸ナトリウムを使う
- 芽胞は高圧蒸気滅菌。パルボが疑われる動物は隔離室へ
- トキソプラズマは猫の便を早く片づけて予防。SFTSはマダニ予防
感染症の確認問題
問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。
Q1. 犬のコアワクチンで防ぐ病気を3つ挙げてください。
答え:犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス)です。
Q2. 子犬や子猫にワクチンを何回か接種するのはなぜですか?
答え:母親からもらった移行抗体が残っているあいだはワクチンが効きにくく、その時期が子によって違うためです。
Q3. 狂犬病予防法で、犬の飼い主が毎年1回しなければならないことは何ですか?
答え:狂犬病の予防注射を受けさせることです(登録は一生に1回です)。
Q4. パルボウイルスで汚れた場所の消毒に適しているのは、アルコールと次亜塩素酸ナトリウムのどちらですか?
答え:次亜塩素酸ナトリウムです。パルボウイルスは膜のないウイルスで、アルコールが効きにくいためです。
Q5. 猫からトキソプラズマがうつるのを防ぐために、飼い主さんにすすめることは何ですか?
答え:猫の便をすぐに片づけることです。便の中の原虫は、時間がたってから感染力をもつようになります。
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参考サイト
- 農林水産省「愛玩動物看護師」国家試験の日程、受験資格、制度についての情報
- 一般財団法人 動物看護師統一認定機構指定試験機関。試験の実施要項や過去の試験問題など