病理学(細胞の変化・炎症・腫瘍)の頻出ポイント|愛玩動物看護師国家試験対策

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VETERINARY NURSE EXAM / 頻出分野の解説

病理学(細胞の変化・炎症・腫瘍)の頻出ポイント

病理学は、病気のときに体の中で何が起きているかを学ぶ分野です。言葉がむずかしく感じるかもしれませんが、「細胞がどう変わるか」「血のめぐりがどう乱れるか」「炎症と腫瘍」の3つに分けると整理しやすくなります。検体を扱う愛玩動物看護師にとって、標本の扱い方も大切なポイントです。

第1〜4回の出題数22問
1回あたり約6問
区分の内訳(4回分)必須9・一般8・実地5

この記事で学ぶこと

  1. 細胞の変化(萎縮・肥大・過形成・化生・壊死)
  2. 血のめぐりの乱れ(充血・うっ血・血栓・梗塞・水腫)
  3. 炎症の5つのサインと、急性・慢性の違い
  4. 良性腫瘍と悪性腫瘍の違い、腫瘍の名前のつけ方
  5. 病理検査の検体の扱い方

1. 細胞の変化

ことばどんな変化?
萎縮いったん正常な大きさになった組織や臓器が、小さくなる(使わない筋肉がやせるなど)
肥大細胞の一つひとつが大きくなる(よく使う筋肉が太くなるなど)
過形成細胞の数が増える
化生ある種類の細胞が、別の種類の細胞に置き換わる
変性細胞の中に、ふだんはないものがたまる(脂肪がたまる脂肪変性など)。元に戻れることもある
壊死傷害を受けて、細胞や組織が死んでしまう。元には戻らない
壊死とアポトーシス

けがや血のめぐりの途絶えで細胞がこわれて死ぬのが壊死、体の決まりに従って細胞が自分から静かに死ぬのがアポトーシスです。

2. 血のめぐりの乱れ

  • 充血:動脈から流れ込む血液が増え、赤くなる(炎症など)
  • うっ血:静脈の流れが滞り、血液がたまる(心臓の病気など)
  • 血栓:血管の中で血液が固まったかたまり。はがれて流れていき、別の場所で血管を詰まらせるものを塞栓という
  • 梗塞:血管が詰まり、その先の組織が死ぬ
  • 水腫(むくみ):血管の外に水分がしみ出してたまる。おなかにたまると腹水、胸にたまると胸水

3. 炎症

炎症は、傷や病原体から体を守り、治そうとする反応です。次の5つのサインが特徴です。

  • 赤くなる(発赤)・熱をもつ(熱感)・腫れる(腫脹)・痛む(疼痛)・はたらきが悪くなる(機能障害)
急性の炎症慢性の炎症
期間短い(数日)長く続く
主に集まる細胞好中球リンパ球、マクロファージ(形質細胞など)

好中球などが集まり、組織がとけてうみ(膿)がたまったものを膿瘍といいます。傷が治るときには、新しい血管と線維がつくる肉芽組織ができます。

4. 腫瘍 ― 良性と悪性

良性腫瘍悪性腫瘍
増え方ゆっくり速い
まわりとの境目はっきりしている(周りを押しのける)はっきりしない(周りにしみこむように広がる)
転移しないする(血液やリンパの流れにのって、離れた場所に)
取り除いたあと再発しにくい再発しやすい
腫瘍の名前のつけ方
  • 上皮(皮膚や粘膜、腺など)から生まれた悪性腫瘍は「〜癌」(例:扁平上皮癌、腺癌)
  • 骨や筋肉、脂肪などから生まれた悪性腫瘍は「〜肉腫」(例:骨肉腫、線維肉腫)
  • 良性腫瘍は「〜腫」(例:脂肪腫、乳頭腫)。ただし、リンパ腫や肥満細胞腫は「腫」がつくのに悪性なので注意

5. 病理検査の検体の扱い方

  • 手術で取った組織は、すぐにホルマリン(10%中性緩衝ホルマリン)に入れて固定する
  • ホルマリンの量は、組織の約10倍以上。容器の口が広く、組織を取り出しやすいものを選ぶ
  • 動物の名前、採取した場所、日付などを、容器と依頼書に正しく書く
  • ホルマリンは、皮膚や目、のどを刺激するので、手袋をつけ、換気のよい場所で扱う

組織の標本は、主にHE染色(ヘマトキシリン・エオジン染色)で見ます。核は青紫色、細胞質はピンク色に染まります。

病理学のまとめ ― 試験の前にもう一度

ここだけは押さえよう
  • 萎縮=小さくなる、肥大=細胞が大きく、過形成=数が増える、化生=別の細胞に置き換わる
  • 充血は動脈側、うっ血は静脈側。血管が詰まって組織が死ぬのが梗塞
  • 炎症の5つのサイン:発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害
  • 急性の炎症は好中球、慢性はリンパ球・マクロファージ
  • 上皮の悪性腫瘍は「癌」、骨や筋肉などの悪性腫瘍は「肉腫」。リンパ腫・肥満細胞腫は悪性
  • 組織はすぐに約10倍以上の量のホルマリンで固定する

病理学の確認問題

問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。

Q1. 細胞の数が増えることを何といいますか?また、細胞の一つひとつが大きくなることは?

答え:数が増えるのは過形成、一つひとつが大きくなるのは肥大です。

Q2. 血管が詰まり、その先の組織が死んでしまうことを何といいますか?

答え:梗塞です。

Q3. 急性の炎症で主に集まってくる細胞は何ですか?

答え:好中球です。慢性の炎症では、リンパ球やマクロファージが主になります。

Q4. 骨から生まれた悪性腫瘍の名前の例を挙げてください。

答え:骨肉腫です。骨や筋肉など上皮以外から生まれた悪性腫瘍は「肉腫」とよばれます。

Q5. 手術で取った組織を病理検査に出すとき、ホルマリンの量はどのくらいにしますか?

答え:組織の約10倍以上の量にします。

REVIEW DECK mini

覚えたことを、忘れないうちに

この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。

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執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)
出題数は、第1回〜第4回愛玩動物看護師国家試験(計800問)を編集部が分類・集計したものです(推定)。本ページは学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療や看護は、獣医師の指示に従ってください。