形態機能学(体のしくみ)の頻出ポイント|愛玩動物看護師国家試験対策

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形態機能学(体のしくみ)の頻出ポイント

形態機能学は、体のつくりとはたらきを学ぶ分野です。愛玩動物看護師国家試験では最も出題の多い分野で、ほかのすべての科目の土台になります。覚えることが多く感じるかもしれませんが、「どこにあって、何をしているか」をセットで押さえていけば大丈夫。よく出るところから、一緒に確かめていきましょう。

第1〜4回の出題数112問
1回あたり約28問
区分の内訳(4回分)必須24・一般64・実地24

この記事で学ぶこと

  1. 犬と猫の歯の数(歯式)
  2. 心臓の中を血液が流れる順番と、拍動のリズムをつくるしくみ
  3. 腎臓で尿がつくられるしくみと、尿の通り道
  4. ホルモンを出す臓器と、それぞれのホルモンのはたらき
  5. 自律神経(交感神経と副交感神経)のはたらき

1. 歯 ― 犬は42本、猫は30本

歯の数は、毎回のように問われる定番です。上あごと下あごの片側ずつの本数を並べた式を歯式といいます。

切歯犬歯前臼歯後臼歯合計
犬(永久歯)上3・下3上1・下1上4・下4上2・下342本
猫(永久歯)上3・下3上1・下1上3・下2上1・下130本
  • 乳歯は犬28本、猫26本。乳歯には後臼歯がありません
  • 犬の上あごの第4前臼歯と下あごの第1後臼歯は、肉を切る大きな歯(裂肉歯)です。上あごの第4前臼歯の根の感染は、目の下が腫れる原因になります
試験のポイント

表の数字は、左右の片側ずつの本数です。合計は「(上の合計+下の合計)×2」で求めます。犬は(10+11)×2=42、猫は(8+7)×2=30です。

ぬりえで覚える:歯犬と猫の歯を種類ごとに塗り分けて、本数(犬42本・猫30本)と裂肉歯の位置を確かめましょう。

歯のぬりえを開く

2. 心臓 ― 血液の流れる順番

心臓には、右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋があり、部屋の出口には血液の逆流を防ぐ弁がついています。

  1. 全身から戻ってきた血液 → 大静脈 → 右心房
  2. (三尖弁)→ 右心室 →(肺動脈弁)→ 肺動脈 → 肺(ここで酸素を受け取る)
  3. 肺 → 肺静脈 → 左心房 →(僧帽弁)→ 左心室
  4. (大動脈弁)→ 大動脈 → 全身へ
まぎらわしいところ

名前に「動脈」とあっても、肺動脈には酸素の少ない血液が、肺静脈には酸素の多い血液が流れます。動脈・静脈は「心臓から出ていくか、戻ってくるか」で決まります。

ぬりえで覚える:心臓4つの部屋と5つの血管を塗り分けると、血液の流れと「肺動脈なのに酸素の少ない血液」がひと目でわかります。

心臓のぬりえを開く

拍動のリズムをつくるしくみ(刺激伝導系)

心臓は、自分で電気の信号をつくって動いています。信号は洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 左右の脚 → プルキンエ線維の順に伝わり、心房、心室の順に縮みます。心電図のP波は心房が、QRS波は心室が興奮したしるしです。

犬で多い僧帽弁閉鎖不全症は、左心房と左心室の間の僧帽弁がきちんと閉じなくなる病気です(くわしくは内科疾患の記事で)。

3. 呼吸 ― 肺での酸素と二酸化炭素の入れかえ

  • 鼻・咽頭・喉頭・気管・気管支を通って、空気は肺の奥の肺胞に届きます
  • 肺胞と、そのまわりの細い血管のあいだで、酸素と二酸化炭素が入れかわります
  • 息を吸うときは、胸とおなかの仕切りの筋肉である横隔膜が縮んで、胸の中が広がります
  • 呼吸の深さや回数は、脳の延髄にある呼吸中枢が、主に血液の二酸化炭素の量を見て調節しています

4. 消化 ― 食べ物の通り道と、助ける臓器

口 → 食道 → 胃 → 小腸(十二指腸・空腸・回腸)→ 大腸(盲腸・結腸・直腸)→ 肛門、の順に進みます。

  • 肝臓:胆汁をつくる、栄養をたくわえる、薬や毒を処理する。胆汁は胆嚢にためられ、十二指腸に出て脂肪の消化を助けます
  • 膵臓:消化酵素を十二指腸に出す(外分泌)と同時に、インスリンなどのホルモンを血液に出す(内分泌)、2つの顔をもつ臓器です
  • 栄養の吸収は主に小腸、水分の吸収は大腸でも行われます
犬と猫の違い

猫は完全な肉食動物で、消化管が短く、盲腸はとても小さくなっています。タウリンなど、食事からとらなければならない栄養素もあります。

ぬりえで覚える:消化管食道から直腸までと、肝臓・胆嚢・膵臓を塗り分けて、食べ物の通り道を確かめましょう。

消化管のぬりえを開く

5. 腎臓 ― 尿がつくられるしくみ

腎臓の中には、尿をつくる小さな単位(ネフロン)がたくさんあります。

  1. 糸球体で血液をこして、尿のもと(原尿)をつくる
  2. 尿細管で、水分や栄養など体に必要なものを血液に戻す(再吸収)
  3. 残ったものが尿になり、腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道の順に流れて体の外へ出る

原尿のほとんどの水は再吸収されます。この水の量を調節しているのが、下垂体の後葉から出る抗利尿ホルモンです。腎臓は、血圧の調節や、赤血球をふやすホルモン(エリスロポエチン)をつくる仕事もしています。

6. ホルモン ― どこから出て、何をするか

臓器主なホルモンはたらき
下垂体(前葉)成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン などほかの内分泌腺に「ホルモンを出して」と指令する
下垂体(後葉)抗利尿ホルモン、オキシトシン尿を濃くする/子宮を収縮させ、乳を押し出す
甲状腺甲状腺ホルモン体の代謝を高める
上皮小体上皮小体ホルモン血液のカルシウムを増やす
副腎皮質コルチゾール、アルドステロン血糖を上げ、炎症を抑える/ナトリウムを体に残す
副腎髄質アドレナリン心拍数や血圧を上げる(緊急時の反応)
膵臓インスリン、グルカゴン血糖を下げる/血糖を上げる
試験のポイント

「血糖を下げるホルモンはインスリンだけ」はよく問われます。反対に、血糖を上げるホルモンはグルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモンなど、たくさんあります。

7. 自律神経 ― 「戦うとき」と「休むとき」

自律神経は、意識しなくても内臓のはたらきを調節している神経で、2つの種類がシーソーのようにバランスをとっています。

交感神経(戦うとき・逃げるとき)副交感神経(休むとき・食べるとき)
心臓心拍数が上がる心拍数が下がる
瞳孔開く(散瞳)縮む(縮瞳)
気管支広がるせまくなる
消化管動きがおだやかになる動きが活発になる、よだれが出る

動物病院で緊張している動物の瞳孔が開いていたり、心拍数が高かったりするのは、交感神経がはたらいているからです。

形態機能学のまとめ ― 試験の前にもう一度

ここだけは押さえよう
  • 犬の永久歯は42本、猫は30本。乳歯は犬28本、猫26本
  • 血液は 右心房 → 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 → 左心室 → 大動脈 の順
  • 刺激伝導系は 洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 脚 → プルキンエ線維
  • 尿は 糸球体でこして、尿細管で必要なものを戻してつくられる
  • 血糖を下げるホルモンはインスリンだけ。上皮小体ホルモンは血液のカルシウムを増やす
  • 交感神経は心拍数を上げ、瞳孔を開く。副交感神経はその逆

形態機能学の確認問題

問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。

Q1. 犬の永久歯は全部で何本ですか?

答え:42本です。猫は30本、乳歯は犬28本、猫26本です。

Q2. 左心室から出た血液が最初に流れる血管は何ですか?

答え:大動脈です。大動脈弁を通って全身へ送り出されます。

Q3. 腎臓で血液をこして、尿のもと(原尿)をつくる部分はどこですか?

答え:糸球体です。そのあと尿細管で、水分や栄養など体に必要なものが血液に戻されます。

Q4. 血糖を下げるはたらきをもつホルモンを答えてください。

答え:インスリンです(膵臓から出ます)。血糖を下げるホルモンは、インスリンだけです。

Q5. 交感神経がはたらくと、瞳孔はどうなりますか?

答え:開きます(散瞳)。心拍数も上がり、体が「戦う・逃げる」準備をします。

REVIEW DECK mini

覚えたことを、忘れないうちに

この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。

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執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)
出題数は、第1回〜第4回愛玩動物看護師国家試験(計800問)を編集部が分類・集計したものです(推定)。本ページは学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療や看護は、獣医師の指示に従ってください。