外科看護と麻酔の頻出ポイント|愛玩動物看護師国家試験対策

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VETERINARY NURSE EXAM / 頻出分野の解説

外科看護と麻酔の頻出ポイント

手術を安全に終えるには、準備、手術中の見守り、手術後のケアのすべてが大切です。この分野では、滅菌と無菌操作、手術器具や縫合糸の名前、麻酔器と麻酔中のモニタリングがよく問われ、実地問題では器具の写真も出ます。手術室での自分の動きを思い浮かべながら読んでみてくださいね。

第1〜4回の出題数28問
1回あたり約7問
区分の内訳(4回分)必須8・一般13・実地7

この記事で学ぶこと

  1. 手術前の準備(絶食、検査、毛刈り)
  2. 滅菌の方法と、手術時の手洗い・ガウンの着用
  3. よく使う手術器具と縫合糸の種類
  4. 麻酔の流れと麻酔器のしくみ
  5. 麻酔中のモニタリングと、手術後の看護

1. 手術前の準備

  • 絶食:麻酔中に吐いたものを気管に吸い込まないよう、胃を空にしておく(時間は獣医師の指示に従う)
  • 術前の検査:血液検査、X線検査などで、麻酔をかけても大丈夫かを確かめる
  • 毛刈りと皮膚の消毒:手術する場所の毛を広めに刈り、中心から外へ向かって消毒する
  • 飼い主さんへの説明:手術の内容と危険性は獣医師が説明し、愛玩動物看護師は理解を助け、不安を聞き取る

2. 滅菌と無菌操作

滅菌の方法特徴
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)高温・高圧の水蒸気で滅菌する。金属の器具や布など、熱と水分に強いもの
エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌熱に弱いもの(プラスチック、カメラなど)に。ガスに毒性があるため、滅菌後にガスを抜く時間が必要
乾熱滅菌乾いた高温で滅菌する。ガラス器具など

滅菌できたかどうかは、色が変わるインジケーターで確認します。

看護のポイント ― 手術時の手洗いとガウン
  • 手洗いは指先からひじに向かって洗い、水が指先からひじへ流れるように、手を上に向けておく
  • 滅菌したガウンと手袋を着けたら、腰より上、胸より下の範囲で手を保つ
  • 滅菌されたものと、そうでないものがふれたら、その物は「不潔」として交換する

3. 手術器具と縫合糸

  • メス:刃には番号がある(例:10番は丸く大きな刃、11番は先のとがった刃、15番は小さな丸い刃)
  • 止血鉗子:血管をはさんで出血を止める(モスキート鉗子、ケリー鉗子など)
  • 持針器:縫合針をしっかりつかむ
  • 鑷子(ピンセット):先に歯(鈎)のある有鈎と、ない無鈎がある
  • はさみ:組織を切るメッツェンバウム剪刀、糸などを切るメイヨー剪刀
  • タオル鉗子:手術の布(ドレープ)を固定する
縫合糸の分け方特徴
吸収性/非吸収性体の中で分解されて吸収される糸と、残る糸。皮膚の縫合で非吸収性の糸を使ったときは、あとで抜糸する
モノフィラメント/マルチフィラメント1本の糸と、細い糸を編んだ糸。編んだ糸はすき間に細菌が入り込みやすい

4. 麻酔の流れと麻酔器

  1. 麻酔前投与:鎮静薬や鎮痛薬で、気持ちを落ち着かせ、痛みを抑える
  2. 導入:注射の麻酔薬で眠らせ、気管チューブを入れる(カフをふくらませて、すき間をふさぐ)
  3. 維持:麻酔器から吸入麻酔薬(イソフルラン、セボフルランなど)を吸わせ続ける
  4. 覚醒:麻酔薬を止め、目が覚めるまで見守る
  • 気化器:液体の麻酔薬を気体にして、濃さを調節する
  • 二酸化炭素吸収剤(ソーダライム):吐いた息の二酸化炭素を取り除く。色が変わったら交換
  • APL弁(ポップオフ弁):回路の余分なガスを逃がす弁。閉めたままにすると回路の圧が上がり、肺を傷める危険がある

5. 麻酔中のモニタリングと手術後の看護

  • 心拍数・呼吸数・血圧
  • SpO2(パルスオキシメーター):血液中の酸素の割合。舌などにセンサーをつける
  • EtCO2(カプノメーター):吐いた息の二酸化炭素。呼吸がきちんとできているかがわかる
  • 体温:麻酔中は体温が下がりやすいので、保温マットなどで温める
  • 麻酔の深さ:まばたきの反射、目の位置、あごの力の入り具合などで判断する
手術後の看護
  • 気管チューブは、飲み込む動きが戻ってから、獣医師の指示で抜く
  • 体温、呼吸、粘膜の色、傷からの出血を観察する
  • 痛みのサイン(表情、丸まった姿勢、触られるのを嫌がる)に気づいたら、獣医師に伝える
  • 傷をなめないよう、エリザベスカラーや術後服を使う

外科看護と麻酔のまとめ ― 試験の前にもう一度

ここだけは押さえよう
  • 手術前の絶食は、麻酔中の嘔吐物の吸い込みを防ぐため
  • 熱と水分に強いものは高圧蒸気滅菌、熱に弱いものはEOG滅菌(ガス抜きが必要)
  • 手洗いは指先からひじへ。滅菌後は腰より上・胸より下で手を保つ
  • 編んだ縫合糸は細菌が入り込みやすい。非吸収性の皮膚の糸は抜糸
  • ソーダライムは色が変わったら交換。APL弁の閉め忘れに注意
  • 麻酔中は体温が下がりやすい。抜管は飲み込む動きが戻ってから

外科看護と麻酔の確認問題

問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。

Q1. 手術の前に絶食させるのはなぜですか?

答え:麻酔中に吐いたものを気管に吸い込む(誤嚥する)のを防ぐためです。

Q2. プラスチックなど熱に弱い器具の滅菌に使う方法と、その注意点を答えてください。

答え:エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌です。ガスに毒性があるため、滅菌後にガスを抜く時間が必要です。

Q3. 麻酔器の二酸化炭素吸収剤(ソーダライム)は、いつ交換しますか?

答え:色が変わったら交換します。二酸化炭素を吸収する力がなくなったしるしです。

Q4. APL弁(ポップオフ弁)を閉めたままにすると、何が起こるおそれがありますか?

答え:回路の中の圧が上がり、肺を傷めるおそれがあります。

Q5. 麻酔中の動物で、体温についてとくに注意することは何ですか?

答え:体温が下がりやすいので、保温マットなどで温め、体温を測り続けることです。

REVIEW DECK mini

覚えたことを、忘れないうちに

この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。

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執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)
出題数は、第1回〜第4回愛玩動物看護師国家試験(計800問)を編集部が分類・集計したものです(推定)。本ページは学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療や看護は、獣医師の指示に従ってください。