薬理学(薬のしくみと投与量の計算)の頻出ポイント|愛玩動物看護師国家試験対策

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薬理学(薬のしくみと投与量の計算)の頻出ポイント

薬理学では、薬が体に入ってから出ていくまでの流れ、処方の略語、投与量の計算、薬の保管がよく問われます。計算問題は苦手に感じる人も多いのですが、手順は毎回同じです。「体重 × 1kgあたりの量 = 必要な量」「必要な量 ÷ 濃度 = 液の量」の2段階を、ゆっくり身につけていきましょう。

第1〜4回の出題数34問
1回あたり約8問
区分の内訳(4回分)必須10・一般15・実地9

この記事で学ぶこと

  1. 投与の経路と、効き方の違い
  2. 処方でよく使う略語
  3. 投与量と液の量の計算(%の考え方を含む)
  4. よく出る薬のはたらきと注意
  5. 薬の保管と、麻薬の管理

1. 薬が体に入ってから出ていくまで

薬は、吸収 → 全身に分布 → 肝臓などで代謝 → 腎臓や胆汁から排泄という流れをたどります。

投与の経路特徴
静脈内血液に直接入るので、最も早く効く。量の調節もしやすい
筋肉内皮下よりも早く吸収される
皮下ゆっくり吸収される。輸液にも使う
経口(飲み薬)おうちで続けやすい。全身に回る前に肝臓で一部が処理される(初回通過効果)
外用(点眼・点耳・塗り薬)必要な場所にだけ届けられる

2. 処方でよく使う略語

略語意味略語意味
SID1日1回PO経口
BID1日2回SC皮下
TID1日3回IM筋肉内
QID1日4回IV静脈内

3. 投与量の計算 ― 2段階で考える

以下の数値は計算練習のための例で、実際の薬の用量ではありません。

例題

体重4kgの猫に、体重1kgあたり5mgの薬を投与します。薬液の濃度は10mg/mLです。何mL吸えばよいでしょう?

  1. 必要な量(mg)= 体重 × 1kgあたりの量 = 4kg × 5mg = 20mg
  2. 液の量(mL)= 必要な量 ÷ 濃度 = 20mg ÷ 10mg/mL = 2mL

%(パーセント)の濃度の考え方

注射薬などの「%」は、100mLの中に何gが溶けているかを表します。

  • 1% = 100mL中に1g = 1mLあたり10mg
  • たとえば2%の薬なら、1mLあたり20mg
計算のコツ

単位(kg、mg、mL)を必ず書きながら計算すると、まちがいに気づきやすくなります。答えが出たら、「この動物の大きさで、この量は多すぎないかな?」と見直す習慣もつけましょう。

4. よく出る薬のはたらきと注意

  • アトロピン:副交感神経のはたらきを止める。心拍数が上がり、よだれが減り、瞳孔が開く。緑内障では使わない
  • アドレナリン:心臓を強く速く動かし、血圧を上げる。アナフィラキシーや心停止のときに使う
  • 抗菌薬:細菌を殺したり増えるのを止めたりする。ウイルスには効かない。症状がよくなっても、決められた期間を最後まで飲み切ってもらう(耐性菌を生まないため)
  • ステロイド(プレドニゾロンなど):炎症や免疫を強く抑える。水をよく飲み、おしっこが増えることがある。長く使ったあと急にやめない
  • 非ステロイド性抗炎症薬:痛みや炎症を抑える。胃腸や腎臓への影響に注意
看護のポイント ― 動物によって危ない薬

人の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)は、猫に重い中毒を起こします。コリーやシェットランド・シープドッグなどでは、一部の駆虫薬に敏感な犬がいます。人の薬や、ほかの動物の薬を自己判断で与えないよう、飼い主さんに伝えましょう。

5. 薬の保管と管理

  • 薬ごとに決められた温度(室温・冷所)を守り、光で変化する薬は光をさえぎって保管する
  • インスリンは冷蔵庫で保管し、凍らせない。打つ前にやさしく混ぜる(強く振らない)
  • 麻薬(一部の鎮痛薬や麻酔薬)は、法律で厳しく管理され、かぎのかかる丈夫な保管庫にほかの薬と分けて保管する
  • 使用期限を定期的に確認する

薬理学のまとめ ― 試験の前にもう一度

ここだけは押さえよう
  • 静脈内が最も早く効く。飲み薬は初回通過効果で一部が肝臓で処理される
  • SID=1日1回、BID=2回、TID=3回、QID=4回。PO経口、SC皮下、IM筋肉内、IV静脈内
  • 必要な量(mg)=体重×1kgあたりの量、液の量(mL)=必要な量÷濃度
  • 1%=1mLあたり10mg
  • 抗菌薬は最後まで飲み切る。ステロイドは急にやめない
  • インスリンは冷蔵で凍らせない。麻薬はかぎのかかる保管庫に

薬理学の確認問題

問題をタップすると答えが開きます。まずは自分で答えを考えてから開いてみてくださいね。

Q1. 処方の略語「BID」の意味は何ですか?

答え:1日2回です(SIDは1日1回、TIDは1日3回)。

Q2. 体重5kgの犬に、1kgあたり2mgの薬を投与します。濃度が5mg/mLのとき、何mLになりますか?(計算練習)

答え:5kg×2mg=10mg、10mg÷5mg/mL=2mLです。

Q3. 2%の注射液は、1mLあたり何mgを含みますか?

答え:20mgです。1%は100mL中に1g、つまり1mLあたり10mgです。

Q4. 抗菌薬を、症状がよくなっても最後まで飲み切ってもらうのはなぜですか?

答え:途中でやめると細菌が生き残り、薬が効かない耐性菌が生まれやすくなるためです。

Q5. インスリンを保管するときの注意を2つ挙げてください。

答え:冷蔵庫で保管すること、凍らせないことです(打つ前は強く振らずにやさしく混ぜます)。

REVIEW DECK mini

覚えたことを、忘れないうちに

この記事の確認問題は「復習デッキmini」にも入っています。忘れかけたころにもう一度出てくるカードで、1日5分から復習できます(全17分野・85問)。

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執筆・編集:Vet Study Library 編集部
監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)
出題数は、第1回〜第4回愛玩動物看護師国家試験(計800問)を編集部が分類・集計したものです(推定)。本ページは学習支援を目的とした教育用コンテンツです。実際の診療や看護は、獣医師の指示に従ってください。