流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
発情から排卵、そして次の周期へ
性周期と排卵を流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。
1
出発点:視床下部がGnRHを出す
視床下部がGnRHを、波のように少しずつ出します。
GnRHを受けとった下垂体は?
2
下垂体前葉がFSH・LHを出す
下垂体前葉がFSHとLHを出します。FSHは卵巣の卵胞を育てます。
なぜ2つのホルモン?
卵胞を育てるFSHと、排卵と黄体づくりを担うLHで、役割を分けているからです。
育った卵胞は、何を出す?
3
卵胞が育ち、エストロジェンが増える
卵胞が大きくなり、エストロジェンを出します。発情の行動が現れます。
なぜ発情の行動が出る?
排卵の時期に雄を受け入れ、受精の機会を逃さないためです。
エストロジェンが十分に増えると?
4
LHサージ(正のフィードバック)
エストロジェンが高い状態が続くと、ふだんとは逆に、GnRHとLHを一気に増やします(LHサージ)。
ふだんはおさえるのに、なぜ増やす?
卵胞が十分に育った合図で、一度だけ大きな排卵の引き金を引くためです(正のフィードバック)。
LHサージのあとに起こるのは?
5
排卵
LHサージのあと、卵胞が破れて卵子が出ます。
猫は?
猫は、交尾の刺激でLHサージが起こる「交尾排卵」の動物です。
破れた卵胞は、どうなる?
6
黄体がプロジェステロンを出す
破れた卵胞は黄体になり、プロジェステロンを出して、子宮を妊娠に備えさせます。
なぜ次の発情が来ない?
プロジェステロンが、GnRHとLHをおさえるからです(負のフィードバック)。
妊娠しなかったら?
7
子宮のPGF₂αで黄体が壊れる
妊娠しないと、子宮がPGF₂αを出して黄体を壊します(黄体退行)。プロジェステロンが下がり、次の周期が始まります。
なぜ子宮が決める?
子宮が「妊娠していない」ことを知る場所だからです。妊娠すると、胚がこの合図を止めます。
動物によって、どう違う?
8
動物による違い
- 牛・豚:子宮のPGF₂αで黄体が壊れ、約3週ごとに周期がくり返す
- 猫:交尾排卵。交尾がないと排卵せず、発情をくり返す
- 犬:年1〜2回。排卵後は妊娠しなくても黄体が約2か月続く(子宮のPGF₂αで黄体を壊すしくみがない)
薬で、この流れを動かすと?
9
薬で流れを動かす
- PGF₂α製剤:黄体を壊して、次の発情を早める(牛の発情同期化)
- GnRH製剤:LHサージを起こして、排卵を促す
- hCG製剤:LHの代わりに働いて、排卵を促す
予測してみよう:黄体がある時期の牛にPGF₂α製剤を打つと、数日後に何が起こる?
答えを見る
発情が来ます。黄体が壊れてプロジェステロンが下がり、おさえられていた卵胞が育つからです。
流れの全体:視床下部(GnRH)→ 下垂体(FSH・LH)→ 卵胞(エストロジェン)→ LHサージ → 排卵 → 黄体(プロジェステロン)→ 妊娠しなければ子宮のPGF₂αで黄体退行 → 次の周期
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)