流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
代謝を上げる指令の流れ
甲状腺ホルモンを流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。
1
出発点:代謝が落ちる
寒さや活動の低下で、体の熱や代謝が足りなくなります。
最初に動き出すのは、脳のどこ?
2
視床下部がTRHを出す
視床下部が体の状態を感じとり、TRHを出します。
なぜ視床下部から?
体温や代謝を見張る、自律神経とホルモンの司令塔だからです。
TRHは、どこに指令を届ける?
3
下垂体前葉がTSHを出す
TRHを受けた下垂体前葉が、TSHを血液中に出します。
なぜ下垂体を挟む?
1つの指令を大きく増やし、多くのホルモンをまとめて調節できるからです。
TSHを受けた甲状腺は、何をつくる?
4
甲状腺がホルモンをつくる
甲状腺がヨウ素を取りこみ、ヨウ素が4つついたT4を主に出します(T3は少し)。
なぜヨウ素が要る?
甲状腺ホルモンは、ヨウ素がついて初めて働く形になるからです。
血液の中を、どうやって運ばれる?
5
タンパク質が運ぶ
T4・T3のほとんどは、タンパク質に結合して運ばれます。細胞に入って働けるのは、結合していない遊離型だけです。
なぜ結合して運ぶ?
すぐに使い切らず、血液の中に貯めておけるからです。
T4は、そのまま働く?
6
組織でT3に変わる
組織で脱ヨウ素酵素がヨウ素を1つ外し、T4をより強く働くT3に変えます。
なぜ組織で変える?
必要な場所で必要なだけ、働く形にできるからです。
T3は、細胞のどこに働く?
7
核に入って代謝を上げる
T3は細胞の核の受容体に結合し、遺伝子のスイッチを入れます。熱をつくり、心拍を上げ、成長を進めます。
なぜ効くまで時間がかかる?
遺伝子からタンパク質をつくり直すので、効き目が出るまで時間がかかるからです。
代謝が戻ったら、どう止まる?
8
負のフィードバックで止まる
T4・T3が増えると、視床下部と下垂体をおさえ、TRHとTSHが減ります。
止まらないと困る?
代謝が上がり続け、やせる・心拍が速いなどの症状が出ます。
流れのどこが壊れると、病気になる?
9
病気と薬
- 猫の甲状腺機能亢進症:甲状腺がつくりすぎる。T4が高い
- 犬の甲状腺機能低下症:甲状腺がつくれない。T4が低く、多くはTSHが高い
- メチマゾール:甲状腺でのホルモンの合成を止める
- レボチロキシン:T4を補う
予測してみよう:甲状腺機能亢進症の猫で、TSHは高い? 低い?
答えを見る
低くなります。増えたT4・T3が、負のフィードバックで下垂体をおさえるからです。
流れの全体:代謝が落ちる → 視床下部(TRH)→ 下垂体前葉(TSH)→ 甲状腺(T4)→ タンパク質が運ぶ → 組織でT3に → 核に働き代謝が上がる → T4・T3が上流をおさえる
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)