流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
上げる仕組みはたくさん、下げるのは1つだけ
血糖の調節を流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。
1
出発点:食後に血糖が上がる
食事の炭水化物が分解され、ブドウ糖として血液に入り、血糖が上がります。
上がった血糖に、最初に反応するのは?
2
β細胞がインスリンを出す
膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が血糖の上昇を感じとり、インスリンを出します。
ほかに血糖を下げるホルモンは?
ありません。血糖を下げるのはインスリンだけなので、β細胞が要になります。
インスリンは、どこに糖を入れる?
3
筋肉と脂肪が糖を取りこむ
インスリンは筋肉や脂肪の細胞に、糖の入り口(GLUT4)を表面に出させ、取りこみを増やします。
脳もインスリンが必要?
いいえ。脳はエネルギーを糖に頼るので、インスリンがなくても取りこめる入り口をもっています。
余った糖は、どこにためる?
4
肝臓がグリコーゲンにためる
肝臓は糖をグリコーゲンとしてため、余りは脂肪に変えます。こうして血糖が下がります。
なぜためておく?
食べていない時間に、血糖を保つ蓄えにするためです。
空腹で血糖が下がると?
5
空腹時:α細胞がグルカゴンを出す
血糖が下がるとインスリンが減り、膵臓のα細胞がグルカゴンを出します。
なぜ同じ膵島に正反対のホルモン?
上げる・下げるを近くで切り替え、血糖を細かく調節できるからです。
グルカゴンは、どこに働く?
6
肝臓が糖を出す
グルカゴンは肝臓で、グリコーゲンの分解と、アミノ酸などから糖をつくる糖新生を進め、糖を血液に出させます。
なぜ筋肉のグリコーゲンは使えない?
筋肉のグリコーゲンは筋肉自身が使う分で、血液に糖として出す酵素がないからです。
ほかに血糖を上げる仕組みは?
7
血糖を上げるほかのホルモン
アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンも血糖を上げます。下げるのはインスリンだけです。
なぜ上げる仕組みばかり多い?
低血糖は脳のエネルギー不足に直結するので、何重にも守っているからです。
インスリンが働かないと?
8
糖尿病:インスリンが足りない・効かない
血糖が高いままになり、腎臓で取り戻しきれない糖が尿に出ます(尿糖)。水も一緒に出て多飲多尿に。細胞はエネルギー不足で、よく食べるのにやせます。犬はインスリンをつくれないタイプ、猫は効きにくくなるタイプが多いです。
なぜ尿に糖が出る?
近位尿細管で取り戻せる量には上限があり、それを超えるからです。
さらに進むと?
9
ケトアシドーシスと治療
糖を使えない細胞が脂肪を分解し、ケトン体が増えて血液が酸性に傾きます(糖尿病性ケトアシドーシス)。治療ではインスリンを補います。
予測してみよう:インスリン注射のあと、ふらついてけいれんした猫。まず考えるのは?
答えを見る
低血糖です。インスリンが効きすぎ、脳に届く糖が足りなくなっています。
流れの全体:食後:血糖↑ → β細胞(インスリン)→ 筋肉・脂肪が取りこむ・肝臓にためる → 血糖↓/空腹:α細胞(グルカゴン)→ 肝臓が糖を出す → 血糖を保つ
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)