酸塩基の調節を流れでたどる|緩衝・肺・腎臓と4つの乱れ

流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。

肺は速く、腎臓はじっくり
酸塩基の調節を流れでたどる

読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。

酸ができるCO₂・乳酸など緩衝HCO₃⁻が受け止める肺CO₂を吐く(数分)腎臓H⁺を捨てる(数日)代謝性 pH↓HCO₃⁻が下がる代謝性 pH↑HCO₃⁻が上がる呼吸性 pH↓CO₂がたまる呼吸性 pH↑CO₂が減る4つの乱れ酸ができるCO₂・乳酸・ケトン体など緩衝HCO₃⁻がH⁺を受け止める肺CO₂を吐き出す(数分)腎臓H⁺を捨てHCO₃⁻を戻す(数日)呼吸性の乱れ(CO₂)代謝性の乱れ(HCO₃⁻)代謝性アシドーシスHCO₃⁻↓(乳酸・ケトン・下痢)代謝性アルカローシスHCO₃⁻↑(胃液の嘔吐)呼吸性アシドーシスCO₂↑(換気の低下)呼吸性アルカローシスCO₂↓(換気が多すぎ)

1

出発点:体は酸をつくり続ける

細胞が働くと、二酸化炭素や乳酸などの酸ができ続けます。それでも血液のpHは、7.4前後に保たれています。

増えた酸を、まず何が受け止める?

2

緩衝:HCO₃⁻が受け止める

血液の重炭酸イオン(HCO₃⁻)が酸(H⁺)を受け止め、炭酸を経てCO₂と水に変わります。

緩衝で酸は消える?

一時的に受け止めるだけで、最後は肺と腎臓で外に出す必要があります。

できたCO₂は、どこから出す?

3

肺:CO₂を吐き出す(数分)

延髄がCO₂の増加を感じとり、呼吸を速く深くしてCO₂を吐き出します。

なぜ肺は速い?

呼吸の速さを変えるだけで、数分で調節できるからです。

肺だけで足りる?

4

腎臓:H⁺を捨て、HCO₃⁻を戻す(数日)

腎臓はH⁺を尿へ捨て、HCO₃⁻を取り戻したり、新しくつくったりします。

なぜ腎臓が要る?

肺はCO₂しか出せず、乳酸などの酸は腎臓でしか捨てられないからです。

調節が追いつかないと?

5

代謝性アシドーシス

酸が増える(乳酸・ケトン体)か、HCO₃⁻を失う(下痢)と、HCO₃⁻が下がり、pHが下がります。呼吸を速くしてCO₂を減らし、代償します。

どんな病気で起こる?

ショック、糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全、下痢などです。

反対に、HCO₃⁻が増えると?

6

代謝性アルカローシス

胃液を吐き続けたり、牛の第四胃変位で胃液がたまったりすると、HCO₃⁻が増え、pHが上がります。呼吸を浅くして代償します。

低Cl⁻を伴うのは?

胃液の塩酸(HCl)として、Cl⁻も一緒に失われるからです。

肺の換気が落ちると?

7

呼吸性アシドーシス

換気が落ちてCO₂がたまり、pHが下がります(麻酔中の呼吸抑制、気道の閉塞、重い肺の病気など)。腎臓がHCO₃⁻を増やして、数日かけて代償します。

換気が増えすぎると?

8

呼吸性アルカローシス

パンティング、痛みや不安、低酸素で換気が増えすぎると、CO₂が減り、pHが上がります。腎臓がHCO₃⁻を減らして代償します。

熱中症の初期の犬は?

激しいパンティングで、呼吸性アルカローシスになることがあります。

血液ガスで、原因をどう見分ける?

9

血液ガスの読み方

  • pH:酸性(アシドーシス)か、アルカリ性(アルカローシス)か
  • pHが下がっているとき:PCO₂が高ければ呼吸性、HCO₃⁻が低ければ代謝性
  • pHが上がっているとき:PCO₂が低ければ呼吸性、HCO₃⁻が高ければ代謝性
  • もう一方の値の動きは、多くの場合「代償」

予測してみよう:胃液を何日も吐き続けた犬。血液のHCO₃⁻は上がる? 下がる?

答えを見る

上がります。胃液の酸(HCl)を失い、代謝性アルカローシスになるからです。

流れの全体:酸ができる → HCO₃⁻が緩衝 → 肺がCO₂を吐く(数分)・腎臓がH⁺を捨てHCO₃⁻を戻す(数日)/崩れると代謝性・呼吸性のアシドーシスとアルカローシス

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薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)