痛みの伝わり方と鎮痛薬を流れでたどる|侵害受容器から脳まで

流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。

傷から脳まで、痛みの信号を追う
痛みの伝わり方と鎮痛薬を流れでたどる

読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。

組織が傷つくPGがつくられる侵害受容器刺激を信号に変える末梢神経Aδ線維・C線維脊髄の後角乗りかえ・調節脳痛みとして感じる中枢性感作敏感になるNSAIDs局所麻酔薬オピオイド全身麻酔薬組織が傷つくプロスタグランジンができる侵害受容器刺激を電気信号に変える末梢神経Aδ線維・C線維で伝わる脊髄の後角乗りかえて強弱を調節脳視床を経て、大脳で痛みと感じる中枢性感作痛みが続くと、軽い刺激でも痛む脳からの抑制脊髄が敏感にNSAIDs局所麻酔薬オピオイド・α₂作動薬全身麻酔薬:知覚

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出発点:組織が傷つく

けがや炎症で組織が傷つくと、プロスタグランジンなどの物質がつくられます。

痛みは、どこで信号に変わる?

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侵害受容器が信号に変える

神経の末端の侵害受容器が刺激を感じとり、電気の信号に変えます。

なぜ炎症があると痛みやすい?

プロスタグランジンが、侵害受容器を敏感にするからです。

信号は、どこを通る?

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末梢神経を伝わる

信号は細い神経線維を伝わります。Aδ線維は鋭い痛み、C線維は鈍く長引く痛み。神経の膜のNaチャネルが信号を運びます。

なぜ2種類ある?

速い線維ですばやく危険を知らせ、遅い線維で続く痛みを伝えるためです。

脊髄では、何が起こる?

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脊髄の後角で乗りかえる

信号は脊髄の後角で次の神経に乗りかえます。ここで信号が強められたり、弱められたりします。

弱めるしくみは?

脳から下りてくる神経や、体内のオピオイド(エンドルフィンなど)が信号をおさえます。

信号は、どこへ上る?

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脳で痛みとして感じる

信号は脊髄を上り、視床を経て、大脳で「痛み」として感じられます。

全身麻酔中は痛くない?

脳で感じなくなるだけで、脊髄までの信号は届いています。

痛みが続くと?

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痛みが続くと敏感になる

強い痛みが続くと、脊髄の神経が興奮しやすくなり、軽い刺激でも痛むようになります(中枢性感作)。

なぜ先回りの鎮痛が大切?

感作が起こる前に信号をおさえれば、痛みが小さく済むからです。

流れのどこを、薬で止める?

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薬①:末梢で止める(NSAIDs)

NSAIDs(メロキシカムなど)は、プロスタグランジンをつくるCOXを止め、侵害受容器が敏感になるのを防ぎます。

注意することは?

プロスタグランジンは胃腸や腎臓も守っているので、胃腸障害や腎障害に注意します。

伝わる途中で止めるには?

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薬②:伝わる途中で止める(局所麻酔薬)

局所麻酔薬(リドカインなど)は、Naチャネルをふさいで、神経の信号そのものを止めます。

なぜ、ふれた感じもなくなる?

痛みだけでなく、触覚や運動の神経の信号も止めるからです。

脊髄や脳で止めるには?

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薬③:脊髄と脳で止める

  • オピオイド(ブプレノルフィン、ブトルファノールなど。スマホの図では「オピオイド」の札にα₂作動薬も含めています):脊髄と脳のオピオイド受容体に働き、信号をおさえる
  • α₂作動薬(メデトミジンなど):脊髄と脳で信号をおさえ、鎮静も起こす
  • 全身麻酔薬:脳での知覚をなくす(鎮痛薬は別に必要)
  • マルチモーダル鎮痛:作用点の違う薬を組み合わせる

予測してみよう:全身麻酔で動かない犬にも、鎮痛薬が必要なのはなぜ?

答えを見る

脳で感じていなくても、脊髄までの痛みの信号は届き、中枢性感作が起こるからです。目覚めたあとの痛みが強くなります。

流れの全体:組織が傷つく(PG)→ 侵害受容器で信号に → 末梢神経(Aδ・C線維)→ 脊髄の後角で乗りかえ・調節 → 脳で痛みと感じる/続くと中枢性感作

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薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)