流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
ストレスに立ち向かうホルモンの指令
副腎皮質の軸を流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。
1
出発点:体にストレスがかかる
病気やけが、低血糖などの変化があると、脳の視床下部が反応します。
視床下部は、何を出す?
2
視床下部がCRHを出す
視床下部がCRHを出し、すぐ下の下垂体前葉に指令を送ります。
なぜ視床下部から始まる?
体の状態やストレスの情報が集まる、ホルモンの司令塔だからです。
下垂体は、何を出す?
3
下垂体前葉がACTHを出す
下垂体前葉がACTHを血液中に出します。
ACTHはどこに効く?
副腎皮質に働き、コルチゾールをつくらせます。
副腎皮質では、何が起こる?
4
副腎皮質がコルチゾールを出す
副腎皮質の束状帯がコルチゾールを出します。
アルドステロンとの違いは?
アルドステロンは球状帯から出て、主にRAASで調節されます。ACTHの影響は小さめです。
コルチゾールは、何をする?
5
コルチゾールの働き
糖新生で血糖を上げ、炎症と免疫をおさえ、タンパク質を分解してエネルギーに回します。
なぜストレスで血糖を上げる?
脳と筋肉にエネルギーを回し、危機を乗り切るためです。
出すぎないためには?
6
負のフィードバック
コルチゾールが視床下部と下垂体をおさえ、CRHとACTHを減らします。
ステロイド薬を長く使うと?
ACTHがおさえられ続けて副腎皮質がやせるので、急にやめると足りなくなります。
出すぎると、どうなる?
7
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
下垂体の腫瘍でACTHが出すぎる型(犬で多い)と、副腎の腫瘍がコルチゾールを出しすぎる型があります。多飲多尿、多食、腹部膨満、左右対称の脱毛が出ます。
なぜ多飲多尿になる?
コルチゾールが、尿を濃くするADHの働きを妨げるからです。
反対に、足りなくなると?
8
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
副腎皮質が壊れ、コルチゾールとアルドステロンが足りなくなります。元気消失、嘔吐、徐脈、高K⁺・低Na⁺が出ます。
なぜK⁺が上がる?
アルドステロンがなく、K⁺を尿へ捨てられないからです。
検査では、軸のどこを確かめる?
9
軸を使った検査と治療
- ACTH刺激試験:ACTHを注射して、コルチゾールがどれだけ出るかを見る(クッシングで多すぎ、アジソンで出ない)
- 低用量デキサメタゾン抑制試験(図の「Dex抑制試験」):外から入れたステロイドで、フィードバックが効くかを見る(クッシングでは下がらない)
- トリロスタン:副腎皮質でのコルチゾールの合成を止める
予測してみよう:アジソン病の犬で、血液のNa⁺/K⁺比は高くなる? 低くなる?
答えを見る
低くなります。アルドステロンが足りず、Na⁺を取り戻せず、K⁺を捨てられないからです。
流れの全体:ストレス → 視床下部(CRH)→ 下垂体前葉(ACTH)→ 副腎皮質(コルチゾール)→ 血糖↑・炎症↓ → コルチゾールが上流をおさえる
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)