流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
血圧が下がったら、体はどうやって戻す?
RAAS(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系)を流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。
1
出発点:血圧が下がる
出血や脱水で血液が減ると、血圧が下がります。
最初に気づくのは、どの臓器?
2
腎臓がレニンを出す
腎臓の傍糸球体細胞が、血管の張りがゆるんだのを感じてレニンを出します。
なぜ腎臓が見張り役?
血液をこすには一定の圧が必要。圧が下がると真っ先に困る臓器だからです。
レニン自体は血圧を上げません。では何をする?
3
肝臓の材料を切る
レニンは「はさみ」。肝臓がつくるアンジオテンシノーゲンを切って、アンジオテンシンⅠにします。
なぜ材料を血中に流しておく?
はさみの量を変えるだけで、すぐに流れを始めたり止めたりできるからです。
Ⅰはまだ働きません。働く形になる場所は?
4
肺でⅡに変わる
肺の毛細血管のACEが、Ⅰの先端の2つを切り落とし、働く形のアンジオテンシンⅡにします。
なぜ肺?
全身の血液が、毎回必ず肺を通るから。取りこぼしがありません。
Ⅱは3つの方法で血圧を戻します。最速の方法は?
5
① 血管を縮める(数秒〜数分)
細い動脈を縮めて、すぐに血圧を上げます。ホースの先をつまむのと同じです。
これだけでは足りない?
縮めても、減った血液の量は戻らないからです。
血液の量は、どう増やす?
6
② アルドステロン(数時間〜数日)
副腎皮質からアルドステロン。腎臓でNa⁺を取り戻し、K⁺を尿へ捨てます。
なぜNa⁺を取り戻す?
水はNa⁺についていきます(浸透圧)。Na⁺を戻せば、水も戻ります。
すでに失った分は、どう補う?
7
③ 脳:ADHとのどの渇き
ADHで腎臓から水を取り戻し、のどの渇きで水を飲ませます。
なぜ飲ませる必要がある?
体の中で取り戻すだけでは、失った分は埋まらないからです。
血圧が戻ったら、流れはどう止まる?
8
血圧が戻ると止まる
血圧が戻ると、腎臓はレニンを止めます。これが負のフィードバックです。
止まらないと困る?
塩分と水がたまり続けます。心不全では腎臓が「血圧が低い」と受け取り続け、むくみの原因になります。
途中を薬で止めると?
9
薬で止める場所
- ACE阻害薬:ⅠからⅡへの変換を止める
- ARB:Ⅱの受け口をふさぐ
- 抗アルドステロン薬:Na⁺の取り戻しを止める
予測してみよう:ACE阻害薬で、血中のK⁺は上がる? 下がる?
答えを見る
上がりやすくなります。アルドステロンが減り、K⁺を尿へ捨てにくくなるからです。図をたどれば導けます。
流れの全体:血圧↓ → 腎臓(レニン)→ 肝臓の材料 → Ⅰ → 肺(ACE)→ Ⅱ → ①血管収縮・②アルドステロン・③ADHと渇き → 血圧↑ → レニン停止
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)