発熱のしくみを流れでたどる|設定温度が上がって下がるまで

流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。

体温の「設定」が上がる病気のしくみ
発熱のしくみを流れでたどる

読み進めると、左の図が1段ずつ描き足され、下の体温のグラフも段ごとに伸びていきます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。

病原体が入る細菌・ウイルスサイトカインIL-1・IL-6・TNF-αPGE₂COXでつくられる視床下部設定温度が上がる熱をつくるふるえ・血管収縮発熱が続く高い体温を保つ解熱パンティングNSAIDs体温と設定温度38.540.5設定温度体温41℃超は冷却病原体が入る細菌やウイルスが体に入るサイトカインマクロファージが発熱物質を出すPGE₂脳の近くでCOXがPGE₂をつくる視床下部体温調節中枢の設定温度が上がる熱をつくる熱をつくり、皮膚から逃がさない発熱が続く設定温度に達し、高い体温を保つ解熱設定温度が戻り、熱を逃がすNSAIDs41℃を超えたら冷却体温(実線)と設定温度(破線)38.540.5設定温度体温

1

出発点:病原体が入る

細菌やウイルスが体に入ると、マクロファージなどが見つけます。

見つけた細胞は、何を出す?

2

サイトカインが出る

マクロファージが、IL-1・IL-6・TNF-αなどのサイトカイン(発熱物質)を出し、血液に乗って脳の近くへ届きます。

これだけで熱が出る?

いいえ。脳の近くで、もう1つの物質に変換される必要があります。

脳の近くで、何がつくられる?

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PGE₂がつくられる

脳の近くでCOXが働き、プロスタグランジンE₂がつくられます。

PGE₂は何をする?

視床下部の体温調節中枢に働きかけます。

視床下部では、何が変わる?

4

設定温度が上がる

視床下部の体温調節中枢の設定温度(セットポイント)が引き上げられます。

熱中症との違いは?

発熱は設定温度が上がる状態、熱中症は設定温度は変わらないのに熱を逃がせない状態です。

設定より体温が低いと、体は?

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熱をつくり、逃がさない

体は「寒い」と感じ、ふるえで熱をつくり、皮膚の血管を縮めて熱を逃がさないようにします。

なぜ熱の出始めに寒気がする?

体温が、新しい設定温度より低いからです。

設定温度に届くと?

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高い体温が続く

体温が設定温度に届くと、ふるえは止まり、高い体温が保たれます。

熱は体の役に立つ?

一部の病原体の増殖をおさえ、免疫の働きを高めると考えられています。

病原体が減ると?

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解熱:設定温度が戻る

サイトカインとPGE₂が減ると、設定温度が元に戻ります。体は「暑い」と感じ、皮膚の血管を広げ、犬ではパンティングで熱を逃がします。

犬が汗で冷やさないのは?

汗腺が肉球などに限られ、主にパンティングで熱を逃がすからです。

薬で熱を下げるには?

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解熱薬の作用点

NSAIDsはCOXを止めてPGE₂をつくらせず、設定温度を下げます。

熱中症にNSAIDsが効かないのは?

設定温度は上がっていないので、PGE₂を止めても体温は下がらないからです。

熱が高すぎると?

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危険な高体温

  • 41℃を超えるような高体温(熱中症など):体を冷やす処置が必要。解熱薬では下がらない
  • 猫にアセトアミノフェンは禁物:中毒を起こす
  • 熱が長引くとき:感染・炎症・腫瘍・免疫介在性などの原因を探す

予測してみよう:NSAIDsで熱が下がり始めた犬が、パンティングしている。なぜ?

答えを見る

設定温度が先に下がり、体温がそれより高い状態なので、熱を逃がしているからです。

流れの全体:病原体 → サイトカイン → PGE₂(COX)→ 視床下部の設定温度↑ → ふるえ・血管収縮で体温↑ → 発熱が続く → 設定温度が戻り、熱を逃がして解熱

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薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)