流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
1回目は時間をかけ、2回目は一気に
抗体ができるまでを流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足され、下の抗体の量のグラフも段ごとに描かれます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。
1
出発点:抗原が入る
細菌やウイルス、ワクチンの抗原が体に入ります。
最初に見つけるのは?
2
樹状細胞が抗原を示す
樹状細胞などが抗原を取りこんで分解し、リンパ節へ移動して、MHCクラスⅡにのせて示します(抗原提示)。
なぜリンパ節へ?
T細胞やB細胞がたくさん集まり、合う細胞を探しやすいからです。
誰に見せる?
3
ヘルパーT細胞が活性化する
合う受容体をもつヘルパーT細胞が抗原を認識して活性化し、増えます。
なぜ「ヘルパー」?
自分では攻撃せず、B細胞などを助ける指令役だからです。
B細胞は、どうなる?
4
B細胞が活性化する
B細胞も表面の受容体で同じ抗原をとらえ、ヘルパーT細胞からサイトカインなどの助けを受けて活性化します。
活性化したB細胞は?
5
形質細胞が抗体をつくる
B細胞が増えて形質細胞に変わり、大量の抗体をつくります。最初はIgMが主体です。
なぜ最初はIgM?
5つがつながった形で、抗原をたくさんつかまえられ、早く出せるからです。
時間がたつと?
6
IgG・IgAに切りかわる
やがてIgG(血中で長く働く)やIgA(粘膜を守る)に切りかわり、抗原への結合力も高まります。
IgGは母から子へ渡る?
犬・猫・牛などでは胎盤をほとんど通らず、主に初乳から子に渡ります。
抗体は、何をする?
7
抗体が働く
抗体は病原体を中和し、食細胞が食べやすいよう目印をつけ(オプソニン化)、補体を働かせて壊します。
2回目に同じ抗原が入ると?
8
記憶細胞と二次応答
一部は記憶細胞として残り、2回目は速く・多く・IgGで応答します(二次応答)。
ワクチンを何回か打つのは?
二次応答を起こし、強く長持ちする免疫をつくるためです。
生まれたての子は、どう守られる?
9
移行抗体とワクチン
- 移行抗体:犬・猫・牛などでは主に初乳から受けとる。生後しばらく子を守る
- 移行抗体が残っていると、ワクチンが効きにくい。だから子犬・子猫は何回か接種する
- 自分の体を攻撃する抗体(自己抗体)がつくられると、免疫介在性溶血性貧血などの病気になる
予測してみよう:初乳を飲めなかった子牛で、特に足りなくなる抗体は?
答えを見る
IgGです。牛では胎盤をほとんど通らず、初乳からしか受けとれないからです。
流れの全体:抗原 → 樹状細胞が示す → ヘルパーT細胞 → B細胞 → 形質細胞(まずIgM)→ IgG・IgAへ → 中和・オプソニン化・補体 → 記憶細胞(2回目は速く多く)
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)