カルシウムの調節を流れでたどる|上皮小体ホルモンとビタミンD

流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。

血中のカルシウムを一定に保つ
カルシウムの調節を流れでたどる

読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。

Ca²⁺がPTHを止める(負のフィードバック)Ca²⁺が下がるけいれんしやすい上皮小体PTHを出す① 骨Ca²⁺を取り出す② 腎臓Ca²⁺戻す・P捨てる③ ビタミンD腎臓で活性化腸Ca²⁺を吸収Ca²⁺が戻るPTHが止まる乳熱腎臓病腎臓病Ca²⁺がPTHを止める(負のフィードバック)Ca²⁺が下がる筋肉・神経が興奮しやすくなる上皮小体PTH(上皮小体ホルモン)を出す① 骨Ca²⁺を取り出す② 腎臓Ca²⁺戻す・P捨てる③ ビタミンD腎臓で活性化腸Ca²⁺を吸収するCa²⁺が戻る上皮小体がPTHを止める乳熱・産褥テタニー腎臓病腎臓病

1

出発点:血中のCa²⁺が下がる

血液中のカルシウムイオン(Ca²⁺)が下がると、筋肉や神経が興奮しやすくなり、けいれんが起こります。

最初に気づくのは、どこ?

2

上皮小体がPTHを出す

上皮小体がCa²⁺の低下を感じとり、上皮小体ホルモン(PTH)を出します。

なぜ上皮小体が見張り役?

細胞の表面に、Ca²⁺を直接感じとるセンサーをもっているからです。

PTHは、まずどこからCa²⁺を集める?

3

① 骨から取り出す

PTHは破骨細胞の働きを強め、骨に貯めたCa²⁺を血液に出させます。

なぜ骨から?

骨は体のCa²⁺のほとんどを貯める貯金箱で、すぐに引き出せるからです。

尿に捨てられる分は、どうする?

4

② 腎臓で取り戻す

腎臓でCa²⁺を取り戻し、代わりにリン(P)を尿へ捨てます。

なぜリンを捨てる?

リンが多いとCa²⁺と結びつき、血中のCa²⁺が増えないからです。

食べ物からの吸収を増やすには?

5

③ ビタミンDを働く形にする

PTHは、腎臓でビタミンDを働く形(カルシトリオール)に変えます。犬や猫は皮膚でビタミンDをほとんどつくれず、食べ物からとります。

なぜ腎臓で最後に変える?

PTHの指令で、必要なときだけ働く形にできるからです。

働く形のビタミンDは、どこに効く?

6

腸で吸収を増やす

働く形のビタミンDが、腸でCa²⁺の吸収を増やします。

なぜ腸も使う?

骨から借りた分を、食べ物から補って返すためです。

Ca²⁺が戻ったら、流れはどうなる?

7

Ca²⁺が戻ると止まる

Ca²⁺が戻ると、上皮小体はPTHを止めます(負のフィードバック)。高すぎるときは、甲状腺のカルシトニンが骨からの取り出しをおさえます。

なぜ止める必要がある?

骨から取り出し続けると、骨がもろくなるからです。

急にCa²⁺が出ていくと、どうなる?

8

乳熱・産褥テタニー

分娩後に乳へ大量のCa²⁺が出ると、取り出しが追いつかず、低カルシウム血症になります(牛の乳熱、犬の産褥テタニー)。

なぜ分娩の直後に多い?

乳をつくり始めると、Ca²⁺が出ていく量が急に増えるからです。

腎臓が悪くなると、流れはどう崩れる?

9

腎臓病で崩れる流れ

腎臓病では、リンを捨てられず、ビタミンDもつくれないため、Ca²⁺が下がりやすくなります。上皮小体はPTHを出し続け(腎性二次性上皮小体機能亢進症)、骨が溶けやすくなります。

予測してみよう:慢性腎臓病の猫に、リンを減らした療法食がすすめられるのはなぜ?

答えを見る

リンが減るとCa²⁺が下がりにくくなり、PTHの出すぎをおさえられるからです。図の②の流れをたどると導けます。

流れの全体:Ca²⁺が下がる → 上皮小体(PTH)→ ①骨から取り出す・②腎臓で取り戻す・③ビタミンDを活性化 → 腸で吸収 → Ca²⁺が戻る → PTHが止まる

流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)

薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)