流れでたどる|スクロールするたび、流れが一段ずつ動き出す。
黄色い色素の旅と、3つの黄疸
ビリルビンを流れでたどる
読み進めると、左の図が1段ずつ描き足されます。各段の終わりの問いの答えが、次の段です。図のブロックを押すと、その段へ移動します。
1
出発点:古い赤血球が壊れる
寿命を終えた赤血球は、主に脾臓のマクロファージに壊されます。
中のヘモグロビンは、どうなる?
2
ヘムからビリルビンができる
ヘモグロビンのヘムが分解されて、黄色い色素ビリルビン(非抱合型)ができます。鉄は再利用されます。
なぜ黄色い色素ができる?
ヘムを分解する途中で、緑色のビリベルジンから黄色のビリルビンに変わるからです。
水に溶けにくいビリルビンを、どう運ぶ?
3
アルブミンが肝臓へ運ぶ
非抱合型ビリルビンは水に溶けにくいので、アルブミンに乗って肝臓へ運ばれます。
なぜ尿には出ない?
アルブミンと結合していて、糸球体を通れないからです。
肝臓では、何をされる?
4
肝臓でグルクロン酸をつける
肝細胞が取りこみ、グルクロン酸をつけて、水に溶ける抱合型ビリルビンに変えます。
なぜ札をつける?
水に溶ける形にして、胆汁から捨てられるようにするためです。肝臓が薬や毒を処理するしくみと同じです。
抱合型は、どこへ出される?
5
胆汁に混ざって腸へ
抱合型ビリルビンは胆汁に混ざり、胆管から十二指腸へ出ます。
腸に出たビリルビンは、どうなる?
6
腸で変わり、便の色になる
腸の細菌がウロビリノーゲンに変え、さらにステルコビリンになって便を茶色にします。一部は吸収されて、尿にも出ます。
なぜ便は茶色い?
ステルコビリンの色だからです。胆汁が腸に届かないと、便は白っぽくなります。
流れのどこかが詰まると?
7
黄疸①:溶血性(肝前性)
赤血球が一度に大量に壊れると、肝臓の処理が追いつかず、非抱合型が血液に増えます。
どんな病気で起こる?
免疫介在性溶血性貧血、タマネギ中毒、バベシア症などです。
肝臓そのものが傷むと?
8
黄疸②:肝性
肝細胞が傷むと、取りこみ・抱合・排出がうまくいかず、両方の型が増えます。
どんな病気で起こる?
肝炎や、猫の肝リピドーシスなどです。
出口の胆管が詰まると?
9
黄疸③:閉塞性(肝後性)
胆管が詰まると、抱合型が血液に逆流して増え、尿にも出ます。腸に届かないので、便は白っぽくなります。原因は胆石、膵炎、腫瘍による胆管の圧迫などです。
予測してみよう:黄疸があり、尿のビリルビンが強陽性で、便が白っぽい。流れのどこが詰まっている?
答えを見る
肝臓より後ろの胆管です。水に溶ける抱合型が逆流して尿に出て、腸には届かないので便の色素ができません。
流れの全体:赤血球が壊れる → ビリルビン(非抱合型)→ アルブミンで肝臓へ → グルクロン酸をつけて抱合型に → 胆汁で腸へ → ウロビリノーゲン → ステルコビリン(便の色)・一部は尿へ
流れでたどる シリーズ(シリーズの一覧へ)
- RAAS(血圧)
- 血液凝固
- 甲状腺ホルモン
- 尿ができるまで
- カルシウムの調節
- ビリルビンと黄疸
- 狂犬病ウイルスの旅
- 血糖の調節
- 副腎皮質の軸
- 性周期と排卵
- 分娩の始まり
- 刺激伝導系と心電図
- 酸素が細胞に届くまで
- 牛の第一胃の発酵
- I型アレルギー
- 痛みと鎮痛薬
- 発熱のしくみ
- ショックの悪循環
- 神経の興奮
- 筋肉が縮むしくみ
- 抗体ができるまで
- 傷が治るまで
- 骨折が治るまで
- 脂肪の消化と胆汁
- 血液型と輸血
- 薬が代謝されるまで
- 酸塩基の調節
- むくみのしくみ
- 嘔吐のしくみ
- 視覚が伝わるしくみ
薬は作用のしくみまでを扱い、用量は扱っていません。
執筆・編集:Vet Study Library 編集部 監修:獣医師(農林水産省 獣医師名簿第44733号登録)